【月世界旅行】月の右目にささったロケット

【月世界旅行(1902)】あらすじと観た感想。カラー版も存在した驚きの技術

【月世界旅行】月の右目にささったロケット

1902年/フランス/監督:ジョルジュ・メリエス/出演:ジョルジュ・メリエス

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【月世界旅行(1902)】
©A Trip to the Moon/月世界旅行より引用

“映画史上初の世界的ヒット作にして奇術師ジョルジュ・メリエス最大の野心作”。

この看板は伊達じゃないです。

 

1902年の映画ですよ、1902年

公開時あなたはいくつでしたか?

私?

私はそうですねえ…188歳くらいでしたかねえ…。

 

てワシいくつやねん!

誰が300年以上生きてんねん!

ワシいくつやねん!

 

上映時間たった14分の中に人類の可能性をいくつも秘めた名作、【月世界旅行(1902)】です。

 

 

 

映画【月世界旅行(1902)】のあらすじザックリ

メリエス扮する天文学教授は5人の学者とともに月への探検旅行へ旅立つ。6人の乗り込んだ砲弾型ロケットは人面の月の右目に着弾。キノコが群生する月面の洞窟を探検していると月人が現れ追いかけてくる。一行が逃げ込んだロケットは地球の海に落下し、無事帰還することができた。

 

 

草創期の映画について

1800年代後半~1910年代あたりまでは映画草創期と呼ばれています。

古い映画を観て私はよく、「リアルタイムで映画館で観てみたかったなあ」と思いを馳せたりするのですが、特にこの【月世界旅行(1902)】に関してはその願望が無意識下に影響を及ぼすほどでしたね。

だって忘れもしませんけど、私は最初に【月世界旅行(1902)】を観た日からきっちり3日間、この映画を夢に見たんです。

いやホンマホンマ、盛ってないって。

ホントに衝撃でしたもの。

映像が、世界観が、脳裏に焼き付くんです。

 

現代を生きる私でもそんなことになるんですから、映画草創期と言えばあなた、映画館の最前列のお客さんが、スクリーンに映し出される波打ち際の映像を観て自分も濡れるんじゃないかって本気で心配していたような時代ですよ?

【月世界旅行】月世界最初の人間
©A Trip to the Moon/月世界旅行より引用

「人間がロケットに乗って月へ行く」内容の映画なんてそりゃあもう、さぞかし楽しくて楽しくて意識が飛ぶ寸前だったことだろうと想像すると、羨ましくて仕方ないです。

 

 

奇術師ジョルジュ・メリエスと史上初のSF映画【月世界旅行】

【月世界旅行(1902)】を作ったのはジョルジュ・メリエスというフランス人です。

【月世界旅行】ジョルジュ・メリエス
©A Trip to the Moon/月世界旅行より引用

この場合「作った」と言うのは本当の意味で使われるべきで、それというのも監督・脚本・撮影・演出・出演、文字通りすべてをメリエスが自分自身でこなしたから。まだ映画関係の仕事が分業化されていなかった当時、初めての職業映画監督だったとも言われています。

原作はSFの大家ジュール・ヴェルヌの「月世界旅行」と、著書「タイム・マシン」で有名なH・G・ウェルズの「月世界最初の人間」です。

当然ながらメリエスは生粋の映画人という訳ではなく、映画製作に携わる前の職業はなんと“奇術師”

現代ではマジシャンと呼んでいいのでしょうか。でもトランプを使ったテーブル・マジックやマギー史郎の手品と言うよりは、引田天功のように大掛かりなセットでイリュージョン・ショーを繰り広げる感じ。

【月世界旅行】
©A Trip to the Moon/月世界旅行より引用

映画発明家リュミエール兄弟の映画を観てその魅力に取りつかれたメリエスは、奇術師で培った経験を大いに活かして奇妙ちきりんな映画を量産します。

 

ドキュメンタリー映画【メリエスの素晴らしき映画魔術】

保存が困難な材質で作られていた【月世界旅行】のフィルムは、複製されたものが何本か残っていたものの、最初から最後まで丸ごと綺麗な状態のものはなかったと言います。しかし2011年にフランスの技師らがフィルム再生プロジェクトを立ち上げ、今や彼らのお陰でほぼ完璧に再現された【月世界旅行】を観ることができます。

【月世界旅行】
©A Trip to the Moon/月世界旅行より引用

そのフィルム復元の様子がフランスのドキュメンタリー映画【メリエスの素晴らしき映画魔術】に収められていて、【月世界旅行】が復元されたことはひとえに果てしない努力の賜物であることが分かります。経年劣化でべったりと貼りついてデカい瓦せんべいのようになってしまっているフィルムを、ふやかして(?)1枚1枚剥がしてデジタル画像に置き換えていくんですよ。

たった14分の映画とはいえ、何万枚となくあるフィルムをです。すごい。根気の化け物。

 

ついでに言うとこのドキュメンタリー映画にはなぜかトム・ハンクスが出てきます。

【メリエスの素晴らしき映画魔術】トム・ハンクス
©A Trip to the Moon/月世界旅行より引用

 

「モノクロ映画」だけどカラーがあった?!

【月世界旅行】は1902年の映画ですから、当然モノクロサイレントだと思ってるでしょ?

実はカラー版があるんです。

助手

嘘つけ!

1902年にカラー技術なんてないやろ!ハリウッドのテクニカラーだって1920年代頃からやのに!

そない怒らんでもええやん。

でもそうですね、“カラー版”というと語弊がありますね。正確には“彩色版”です。

特殊なインクでフィルムに直に色を塗っています。

助手
……!!(絶句)

ホント、気が遠くなりますよね。

1枚1枚小さな四角に映った対象を、指定の色に塗りつぶしてるんです。

【月世界旅行】
©A Trip to the Moon/月世界旅行より引用

出来栄えはと言えば、その幻想的な美しさたるや私が3日間夢に見るほど(弱い例え)。

そうです、私はこのカラー版メリエス映画を夢に見たんです。

だって見てくださいよこの映像。

【月世界旅行(1902)】
©A Trip to the Moon/月世界旅行より引用

「色がついてる」って言っても現代のカラー映像とはずいぶんと違うでしょう?

撮影後のフィルムに色をつけることで、まるで絵画が動き出したような、不思議で小気味いい映像が出来上がる訳ですよ。彩色が素晴らしいことは議論の余地もなく、さらに画面前方にね、何か居るの分かります?

【月世界旅行】泳ぐ魚
©A Trip to the Moon/月世界旅行より引用

なんと魚が泳いどるんですよ!

どういう技術?!

ピッカピカに磨いた水換えたての水槽をカメラの前にでも置いとんのかいな!

すごいですよね?!

すごいと思いません?!

 

…いやあ~。

すごいわあ~。

 

 

映画【月世界旅行(1902)】の感想一言

朱縫shuhou

唐突ですけど、あなた映画お好きでしょう?

 

分かりますよ、映画好きじゃないとこんな古い映画のことばっかり書いてる変なサイトに来ませんもん。

しかもこの【月世界旅行(1902)】の記事をここまで読むだなんて、ただ者ではないはず。

 

本編を観ればそんなあなたもきっと夢に見るでしょう。

メリエスの映画魔術の世界を。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

【月世界旅行】月の右目にささったロケット
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1902年公開の【月世界旅行】から2010年公開の【ブラック・スワン】まで。
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