1989年/アイルランド、イギリス/監督:ジム・シェリダン/出演:ダニエル・デイ=ルイス、ブレンダ・フリッカー、レイ・マカナリー、フィオナ・ショウ、シリル・キューザック、エイドリアン・ダンバー/第62回アカデミー主演男優・助演女優賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
霞 むよ?
霞 む。
【レインマン】のダスティン・ホフマンも、【フォレスト・ガンプ/一期一会】のトム・ハンクスも、【ギルバート・グレイプ】のレオナルド・ディカプリオも、全員霞む。
1988年/アメリカ/ヒューマン/監督:バリー・レヴィンソン/出演:ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ、ヴァレリア・ゴリノ、ジェリー・モーレン、ラルフ・シーモア、ジャック・マードック/第61回アカデミー作品・監督・主演男優・脚本賞[…]
1994年/アメリカ/監督:ロバート・ゼメキス/出演:トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ライト、ゲイリー・シニーズ、ミケルティ・ウィリアムソン、ハーレイ・ジョエル・オスメント/第67回アカデミー作品・監督・脚色・主演男優・[…]
1993年/アメリカ/監督:ラッセ・ハルストレム/出演:ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイス、ダーレン・ケイツ、ローラ・ハリントン、メアリー・ケイト・シェルハート注※このサイトは映画のネタバレしよ[…]
今挙げた三作で彼らは何らかの障害者を演じています。
どれもこれも素晴らしい映画だし、3人共ファンタスティックな演技を披露してくれるんですが、どうあがいても本日の映画【マイ・レフトフット】で脳性麻痺を患うクリスティ・ブラウンを演じたダニエル・デイ=ルイスに敵うものではないでしょう。
他の誰もが霞んでしまう反則級の役作り。仮に映画の内容が全然おもろくなかったとしてもその演技だけで充分に感動を呼ぶ。超脱帽。
映画【マイ・レフトフット】のあらすじザックリ
左足しか動かない芸術家クリスティ・ブラウン
脳性麻痺のため生まれつきかろうじて左足しか動かすことができなかった実在の人物クリスティ・ブラウンの自伝「マイ・レフトフット」の映像化作品。
それにしてもなんでこれを映画化しようと思ったんや。
クリスティ・ブラウンはとにかく全身が思うように動きません。
手足はもちろん、口も舌も動かないからまともに話すこともできない。唯一“マシ”なのは左足だけで、動かせると言っても“かろうじて”。
よりによって左足ですよ?
四肢の中で一番使いやすいのは(一般的には)右手ですよね?次が左手。その次に使うとしたら右足じゃないですか?日本ではとりあえずオートマティック車を運転する時に使うのも右足ですし。
左足って健康な人でも最も自由が利きにくい部位でしょ?
そこしか動かないってどーよ。
しかしこのクリスティ・ブラウンという人はそんなハンディキャップをものともせず、作家・画家として才能を開花させるんですね。
地元では子だくさんで有名なブラウン一家の10番目の子供として産まれたクリスティは(22人きょうだい、うち9人は幼少期に死亡しているので13人きょうだい)、心無い人から「厄介者」「身障者」などとののしられることもありますが、両親(特に母親)と他のきょうだい達の大きな愛に包まれてスクスク成長していきます。
そしてある日、クリスティはかろうじて動く左足にチョークを握って、家族の前で床に「MOTHER」と書いて見せるんです。
脳まで侵されているわけではないことを証明してみせたクリスティは、家族のサポートを受けながら左足だけで字を書いたり絵を描いたりし始めます。そうして努力を重ね、ひとかどの人物として世間に認められていくんですね。
そんなクリスティの半生を、「書籍化」するならともかく「映像化」するってどーよ。
だからなんでこれを映画化しようと思ったんやって。
五体満足な俳優がいくら頑張ったところで究極のリアリティは期待できないことくらい予想がつくでしょうよ。
それとも何かい?これはそもそもダニエル・デイ=ルイスが主演することありきで映像化が決まったのかい?
だって彼以外にクリスティを演じられる俳優なんて思いつかない。
【ゼア・ウィル・ビー・ブラッド】の撮影時には他の出演者が逃げたしたという逸話も残るほど徹底した役作りで知られるダニエル・デイ=ルイス。月並みですけどさすがとしか言いようがありません。
絶対にあきらめないおかん
22人の子供を産んだ(ホンマか!)クリスティのおかんを演じたブレンダ・フリッカーも“肝っ玉おかん”が板につきすぎ。
恋心を抱いていた主治医のコール医師(フィオナ・ショウ)にフラれたショックから筆を折ってしまったクリスティのために、おかんは何をしたと思います?
ぶーっ!
ぶーっ!
正解は、「創作活動に集中できる一人部屋を作ってあげた」です。
それも大工さんに発注して終わり、とかじゃなく、「イチから作る」ですよあなた。
測量してツルハシ持ってきて、基礎から作る。
途中からはレンガ職人のおとんや若く健康なきょうだいたちも手伝ってくれて家族総出の大工事になるんですけど、このおかんは仮にたった1人であったとしてもやり遂げてたと思う。
すごすぎるよ母ちゃん。
映画【マイ・レフトフット】の感想一言
このおかんでなければ或いはクリスティの才能は埋もれてしまっていたのかも知れません。
「母親」って責任重大だね。
ちなみにおとん(レイ・マカナリー)はただの調子の良い飲んだくれです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。