1979年/アメリカ/監督:ピーター・イェーツ/出演:デニス・クリストファー、デニス・クエイド、ダニエル・スターン、ジャッキー・アール・ヘイリー、ポール・ドゥーリィ、バーバラ・バリー、ロビン・ダグラス、ハート・ボックナー/第52回アカデミー脚本賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
思春期の時ってなんであんなに…なんというか…劣等感というか焦燥感というか、「誰かより劣っているような引け目」や「何かに追われているような焦り」を感じてはムシャクシャしたりしてたんでしょうね?
両親でも祖父母でも先生でも、「焦らなくてもええんやで」って言ってくれる大人の一人や二人くらいは誰だって身近にいそうなもんやけど。
いや、例えそう言ってくれたとしてもムシャクシャするもんはするのか。
余りにも昔すぎて忘れた。
忘れたくない輝き。でもどうしてもこうやって大人になるとそんな輝き薄れてしまう。
青春って素晴らしい。
映画【ヤング・ゼネレーション】のあらすじザックリ
田舎町のプータロー4人衆
今は使われていない山奥の石切り場を溜まり場にして遊んでいるのはデイブ(デニス・クリストファー)、マイク(デニス・クエイド)、シリル(ダニエル・スターン)、ムーチャー(ジャッキー・アール・ヘイリー)のプータロー4人衆。
もう典型的な無気力で怠惰な若者ですよ。
毎日みんなでため池のようになってる石切り場で泳いだり車に乗ってドライブしたり、悠々自適。
自転車レースが趣味のデイブはイタリアのレーシング・チームに憧れていて、その影響で変なイタリア語しゃべってイタリア音楽ばっかり聴いてる。
デイブパパ(ポール・ドゥーリィ)に「その変なしゃべり方やめえ!」っていくら怒られてもどこ吹く風。チャオ~。
父親が中古車ディーラーやってるデイブなんかは比較的裕福な家庭のようですけど、ムーチャーは親と離れて暮らしてて自分で稼がなけりゃ生活できないっぽいのに就職する気ゼロ。そればかりか無職の癖に結婚までしてしまう。おーい。
シリルは来年には大学に進学しようという意志を持っているし、4人の中ではまだマシな方。
高校時代アメリカン・フットボールの花形選手だったマイクなんてまるで研ぎ澄まされたナイフのように攻撃的。ケガで選手生命を絶たれた結果、すっかりグレてひねくれてしまってる。しかも警察官のお兄さんがいることから察するに、幼い頃から結構優秀な兄と比較されてたパターンですねこれは。
いいですねこの誰もが問題を抱えたティーンエイジャーな感じ。
大学生たちとの決着は自転車レースで
ある日快適だった彼らの溜まり場に、チャラチャラした大学生たちが乱入してきます。
この大学生は大学生でボンボン丸出しのチャランポランやったりするんですけど。
まともなティーンはおらんのか。
大学生はフラフラしているデイブ達のことを“カッターズ”と呼んで蔑んでいます。“カッター”ってのは石切り工のことで、4人の父親は昔みんな地元の石切り工でした。
いがみ合いがエスカレートして暴力沙汰にまで発展してしまった彼らに対し、大学の学長らしきジジイがグッジョブな提案を持ち掛けます。
言うても大学生が勝つのは目に見えてるんですけどね。
この自転車レースは4人のチームで競うのに、カッターズでレースの経験があるのなんてデイブだけ。
今までみんなを引っ張ってきていたマイクは水泳で大学生にボロ負けしたことですっかり小さくなってしまっているし、勝ち目がない勝負にとまどう少年達の葛藤が楽しい。
そうです、彼らにとっては一大事であるこんな葛藤も、初老の私からすると楽しい楽しい青春の1ページですよ。
頑張るのだ若人よ。うんうん。
自転車レースの見どころはノーカットのラスト2周
大学生じゃないデイブ達が特例で参加を認めてもらった自転車レースは結構デカい大会。何十台もの自転車がしのぎを削ります。
出場するつもりなんてさらさらなかったのにデイブがケガしたことで仕方なくコースに出ざるをえなくなった他の3人の嫌がりようが情けない。母ちゃん情けないよ。
シリルなんか「助けてくれー!」って叫びながら走ってるからね。爆笑。
そしてとにかくラスト2周のデッドヒートがすごい。
ノーカットですよノーカット。
まるで生のレースを観ているように、拳握りしめて「行け~っ!」って言っちゃいますって。
これだから古い映画はいい。
CG嫌い。
デイブの父親(母親も)が面白すぎ
そんな感動的なレースの勝利の余韻を全部持って行ってしまうのがデイブパパ。
この人はいけない。
面白過ぎていけません。
例えばデイブの留守に妻と良い雰囲気になっていたしてたかと思ったら、その後赤ちゃんを授かったと衝撃の告白。
兄貴19歳!
うわお!
さらに酷いのがラストのリアクションですよ。
レース後、大学に進学したデイブは、かわいいフランス人女学生の影響を受けてイタリアかぶれ改めフランスかぶれになっちゃいます。
そんなことは露知らず、やっと息子のイタリアかぶれが治まったと思ってたのに、すれ違いざまに怪しげなフランス語を発したデイブに気付いた時のデイブパパのリアクションですよ。(※矢印がパパ)
何ーっ!
映画【ヤング・ゼネレーション】の感想一言
自転車レースは感動的ではありますが、威勢がいいと思ったら意気地がなくて、落ち込んだと思ったら浮上して、そんなごく普通の思春期の少年達の葛藤と、大人への成長過程で突拍子もない行動に出る彼らに戸惑う親の心情を描いた部分が抜群です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。