1944年/アメリカ/監督:クラレンス・ブラウン/出演:エリザベス・テイラー、ミッキー・ルーニー、アン・リヴィア、ドナルド・クリスプ、アンジェラ・ランズベリー/第18回アカデミー助演女優・編集賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
春先の良い気候の時、こんな風に馬に乗って海が見える草原を駆け抜けてみたいです。蹄と波の音を聞きながら、風のように走られたらどんなに心地いいでしょう。
整備された競馬場や乗馬クラブを走るのとは全然違うもんね。
て馬乗ったことないけど。
【緑園の天使】です。
映画【緑園の天使】のあらすじザックリ
12歳のエリザベス・テイラーが馬を愛する少女に
肉屋を営むブラウン氏(ドナルド・クリスプ)の三女ベルベット(エリザベス・テイラー)は馬をこよなく愛する12歳の少女。
そのこころ異性に抱く恋心のごとし。
長女のエドイナ(アンジェラ・ランズベリー)が町の男の子に夢中になってるというのに、この対比が色気のない夢見がちな妹あるあるですごくかわいい。
ベルベットを演じたのは【陽のあたる場所】、【ジャイアンツ】のエリザベス・テイラー。
1951年/アメリカ/監督:ジョージ・スティーヴンズ/出演:モンゴメリー・クリフト、エリザベス・テイラー、シェリー・ウィンタース、アン・リヴィア、レイモンド・バー/第24回アカデミー監督・脚色・撮影(白黒)・作曲・衣裳デザイン(白黒[…]
1956年/アメリカ/監督:ジョージ・スティーヴンス/出演:ロック・ハドソン、エリザベス・テイラー、ジェームズ・ディーン、チル・ウィルス、デニス・ホッパー、マーセデス・マッケンブリッジ、キャロル・ベイカー/第29回アカデミー監督賞受[…]
昔うちのオカンが「エリザベス・テイラーは整形や」ってよく言ってましたけど(ネットとかない時代なんでソースがどこだかよく分からない)、【緑園の天使】を観てすぐにガセネタだと分かりました。
だってこの頃(12歳)からもうすでに顔の造形が完成されている。
12歳よりも前に整形してるなら話は変わってきますけど、仮に幼少期に整形してたとするなら恐らく後年の劣化が半端ないはず。
なのに晩年のエリザベス・テイラーの容姿は基本的にはこの頃のまんま。年齢を重ねて皺が増えただけ。
有名ドコロではオードリー・ヘプバーンも然り、「生来ホントに美しい人」ってのはやっぱり整形とか無理矢理なアンチエイジングとかしないよね。そしてその差は晩年に顕れる。
自然な加齢は美しい。
暴れ馬“パイ”にひと目惚れ
今日から夏休みというある日、ベルベットは浮浪児のマイ(ミッキー・ルーニー)と出会います。マイは亡き父親の残した手帳にあったベルベットの母の名前を頼りにブラウン家を訪ねてきたのです。
2人で道端で話をしていると、一頭の暴れ馬が通りかかります。
飼い主のおじさんは「海賊みたいな馬やで!」と言って手を焼いているようでしたが、ベルベットはその気品溢れる精悍な姿にひと目で心を奪われてしまいます。
その後マイはブラウン夫人(アン・リヴィア)の承諾を得て、ブラウン家で住み込みで働くことに。
勝手に暴れ馬に“パイ”と命名し、マイが寝泊まりしている馬小屋にやってきては妄想を始めるベルベット。
運命的な好機に恵まれパイを手に入れることができたベルベットは、元騎手だったマイにパイを調教してもらい、グランドナショナルでの優勝を目指します。
参考 グランドナショナル=毎年4月にイギリスのリヴァプール郊外にあるエイントリー競馬場で行われる障害競走
メモしておきたいくらいのブラウン夫人の名言の数々
ところで天真爛漫のベルベットは全然気付いていませんが、マイは実は最初からブラウン家で盗みを働いてトンズラする腹でした。
根は真っすぐで勇気溢れる少年なんですけどね。これまでの過酷な人生が彼の性格まで変えてしまったようで。
そんなマイを改心させたのはベルベットの母ブラウン夫人。
改心させた手段はなんと「信頼すること」。
マイを心の底から信頼することで彼の根本にある良心に訴えかけ、盗みを思い止まらせます。
この時だけでなくブラウン夫人は全編に渡って数々の名言を残していて、それはそれはどれを取っても親として人間として肝に銘じておかなければならない金言ばかりなワケですよ。
それだけに、ラストでブラウン夫婦が「姉弟のうちでベルベットが一番母親に似ている」と言ってるのにはいささか納得いきません。
思慮深く聡明なブラウン夫人と、天真爛漫で悪く言えばアッパラパーのベルベットでは似ても似つかないでしょうに。
まあブラウン夫人の崇高な庇護の元で育ったお陰で今の素朴で無邪気なベルベットがあるわけで、ブラウン夫人の教育の賜物と言えなくもないですが。
似てはない。
絶対ない。
映画【緑園の天使】の感想一言
ベルベットが乗馬する場面はどっからどこまでが吹き替えなのか全然分からないほどの自然な仕上がり。
まるでホントにエリザベス・テイラーがパイと共に障害を越えているようです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。