1934年/アメリカ/監督:セシル・B・デミル/出演:クローデット・コルベール、ウォーレン・ウィリアム、ヘンリー・ウィルコクソン、ジョセフ・シルドクラウト、イアン・キース/第7回アカデミー撮影賞受賞
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「クレオパトラ」ってひとりだけじゃないの知ってました?
実は古代エジプトに「クレオパトラさん」はたくさんいます。
絨毯にくるまれてジュリアス・シーザーの前に現れたり、毒蛇に乳首を噛ませて自殺を謀ったりといった逸話で知られ、一般的に絶世の美女として語り継がれている「クレオパトラ女王」が指すのは、「クレオパトラ7世」のことです。
かのクレオパトラ7世の半生を描いたセシル・B・デミル監督作品、【クレオパトラ(1934)】です。
映画【クレオパトラ(1934)】のあらすじザックリ
「映画史上空前の失敗作」と言われた【クレオパトラ】じゃないよ
クレオパトラ7世を扱った映画はいくつか製作されていて、もっとも有名なのは「映画史上空前の失敗作」と言われた1963年のエリザベス・テイラー主演版【クレオパトラ(1963)】でしょう。
クローデット・コルベールがクレオパトラ7世を演じたこの【クレオパトラ(1934)】は、それよりも30年も前に公開されたものです。

上映時間は100分と短く、内容は実に単純明快で淡々としたもの。
クレオパトラ7世やジュリアス・シーザー(ウォーレン・ウィリアム)やアントニー(ヘンリー・ウィルコクソン)についての有名な逸話をちょこちょこと盛り込めるだけ盛り込んで、最後は思い切り良くシュッと幕を引く感じ。
ハリウッド黄金期のこの冗長しない簡潔さが大好きです。
最近の映画って「間」が変なの多くない?
絨毯やら毒蛇やら「お前もかブルータス」やら
さきほども書いたとおり、事実かどうかはさておいて、この映画にはクレオパトラ7世やジュリアス・シーザーについて有名な逸話が散りばめられています。
絶好調のローマ帝国執政ジュリアス・シーザーがエジプトにやって来た時、クレオパトラ7世は覇権争いの真っただ中にあった弟でエジプト王のプトレマイオス13世の陰謀で砂漠の真ん中に放置されているはずでした。
しかしクレオパトラ7世は、シーザーへの貢物 として運ばれてきた絨毯の中から華麗に姿を現します。
ごろん、ごろん…。
どて。

華麗…でもないか。
「クレオパトラ」と聞いて誰もが一番に思い浮かぶであろう「イチジクの籠の中に忍ばせた毒蛇に乳首を噛ませて自殺」も、「ジュリアス・シーザー」と聞いて誰もが一番に思い浮かぶであろう「お前もか、ブルータス」もきっちり再現されておりますよ。

正直にミスキャストだと思う
ちなみにDVDに収録されている淀川長治の解説によると、
それを唯一引き受けたのがハリウッドで人気絶頂だったクローデット・コルベールだったんですね。
ということらしいのですが、まあ【或る夜の出来事】のコルベールが人気だったのは分かるけど、彼女にクレオパトラ7世っぽさが少しでも備わっているかと聞かれると、正直ミスキャストと言わざるを得ないです。
大体コルベールのクレオパトラ7世は、登場シーンの大半が薄~い布っ切れをちょいちょいっと体に沿わせただけのゴージャスかつセクシーなドレス姿だというのに、色気が全然ないんですよね…。
腰のくびれやヒップの張りはあるけど、とにかく壊滅的にお胸が足りない。

クレオパトラに「妖艶さ」は不可欠でしょうに。
そして「妖艶さ」にはどうしてもお胸の豊満さの重要性がついて回るワケですよ。
コルベールと同年代だとグレタ・ガルボやマール・オベロンに演じてみて欲しかった。
彼女らもみんな断っちゃったのかなあ~。
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映画【クレオパトラ(1934)】の感想一言
尺の関係ですかね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。