1931年/アメリカ/監督:ウェズリー・ラッグルズ/出演:リチャード・ディックス、アイリーン・ダン、エルテル・テイラー、エドバ・メイ・オリバー/第4回アカデミー作品・脚本賞受賞
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クラシック映画のタイトル画面っておしゃれなのが多くて好きなもんで、ついつい画像使っちゃうわ。
第4回アカデミー最優秀作品賞受賞映画、【シマロン(1931)】です。
タイトルの「シマロン」は、舞台となる現在のオクラホマ州シマロン群の地名と、主人公の息子の名前(シマロン)から来ているみたいです。
スペイン語で「野生化した家畜」とか「黒人逃亡奴隷」の意味もあるみたいですけど…どれもこれも当てはまりそうなので広~くとらえておきましょう。
映画【シマロン(1931)】のあらすじザックリ
映画【シマロン(1931)】の主人公は一体どなたでしょうか?
この映画は一体誰が主人公なのでしょう?
クレジットを見てもヤンシー・クラバット役のリチャード・ディックスが先に来てるので、恐らく彼が主人公で間違いないんだけどさあ。
「ヤンシーが主人公だ」と認識して観ていると途中でこんがらがってくるかも知れませんよ。
早撃ちの名手で、悪党を含めて様々な方面に顔が広く、原住民や黒人にも優しいヒーロー的資質を完璧に持ち合わせるヤンシーなんですけど、実際問題この人はちょっと頭がおかしいんです。
ヤンシーって悪者にも臆さなくて、自分の信念を持ってて、家族も大事にしてて、かっこええわあ~…。
と、ほのかな恋心を抱いたのも束の間、ヤンシーは平和な暮らしに退屈すると、突然霞のように消えてしまうんです。もちろん家族も、自分が設立した新聞社もほったらかして。
ある日突然ですよ?
ある日突然、霞のように消えていなくなる。
要するに放浪癖があるんです。
男のロマン?
知るか。
誰に対しても正しくあって、悪を許さず冒険を愛しすぎちゃっている。
ここまで行ったら刑期を終えてなお再犯を繰り返す凶悪犯となんら変わらない。
こういう男はそもそも家庭なんて持っちゃダ~メ~。
夫の留守に子供を育て会社を守ったセイブラ
一家の大黒柱の放浪癖によって割を食うのは家族。
「家族」って言ってもヤンシーはまだ子供達も幼いうちから家を飛び出してしまうので、実質苦労してんのは妻のセイブラ(アイリーン・ダン)ただひとり。
「編集長」の籍は「ヤンシー・クラバット」のまま、セイブラは夫がほったらかした新聞社を何年も1人で切り盛りして大きくします。
酷いってこれはホントによ。
さらに悪いことには、行ったっきりならまだしも、ヤンシーは前触れもなくちょいちょい帰ってきたりします。
そして開口一番、
セイブラ、会いたかったよ!
君だけを愛してる!
…死ぬか?
しかしそこはそれ。
セイブラもセイブラです。
私も愛してる!
抱きしめて!
もう、どうぞご勝手に。
そんでまたヤンシーは突然フラリと出て行き…また帰ってきて…って、もー行くんやったら行ってしもてくれよ。おちおち他に男も作られへんわ。
主人公がそんな最期でよろしいんでしょうか?
ヤンシーの最期なんてもう言葉を失いますよ。
最終的に20年(!)も家族をほったらかし(孫までできてる)、ある町でやっとセイブラと再会できた時、ヤンシーはなんと事故で瀕死の状態。
セイブラの胸で息を引き取る時に言い遺した言葉がこちら。
…ガクッ。
さすがにちょっと笑ろてしまう自分がいましたけども。
映画【シマロン(1931)】の見どころ感想
【シマロン(1931)】の冒頭では1889年のオクラホマでのランドラッシュの様子が描かれています。
作中ではこの時、オクラホマには6週間で1万人の人々が殺到したとされています。
みんなそれぞれ手に旗を持ってて、馬や馬車、自転車などに乗ってスタートラインに並び、よーいドンで駆け出し目的地にたどり着いたら
とばかりにその土地に旗を打ち立てるシステムみたいです。
今では信じられませんが、そうして旗を立てた土地はもう自分のもの。
みんな陽気に笑ってるけど自分の土地を手に入れようと必死で殺伐としてます。死人とか出たんでしょうね。
このランドラッシュの場面や、何もなかった荒野にテントやほったて小屋が少しずつ建っていく開拓時代の描写は高揚感があって面白いです。
参考 ランドラッシュ = 1889年4月22日にアメリカ合衆国政府が入植を解禁したオクラホマに白人が未開の土地を求め殺到した現象
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