1933年/アメリカ/監督:レオ・マッケリー/出演:グルーチョ・マルクス、チコ・マルクス、ハーポ・マルクス、ゼッポ・マルクス、マーガレット・デュモン、ルイス・カルハーン、ラクウェル・トレス
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
チャールズ・チャップリンにしろバスター・キートンにしろ、サイレント期~トーキー初期の喜劇って大好きなんですけどねえ。彼らと同年代のマルクス兄弟だけはなぜかダメなんです、私。
あんまり笑えない。
彼らの“笑い”のファクターのひとつに三男グルーチョ・マルクスのマシンガントークがあるからでしょうか。
英語が分からない日本人が役者のマシンガントークを必死こいて字幕追って理解しようとしたところで、ちょいちょい「??」ってなって“笑うトコ”を逃してしまうんですよね。
…かと言ってしゃべらず仕草だけで笑いを取るスタイルの次男ハーポ・マルクスのリアクション芸もおもろないしな。
「肌が合わない」ってことですかね。
チコ、ハーポ、グルーチョ、ガンモ、ゼッポからなるパフォーマンス集団「マルクス兄弟」の代表作、【我輩はカモである】です。
※本作には四男ガンモ・マルクスは出演していません。
映画【我輩はカモである】のあらすじザックリ
架空の国フリードニアで冗談みたいに戦争が始まる
架空の国フリードニアの首相が亡くなり、未亡人となったティスデル夫人(マーガレット・デュモン)は自身が密かに想いを寄せるルーファス・T・ファイアフライ(グルーチョ・マルクス)を後釜に推します。そしてごくあっさりとフリードニアの首相の座に就くファイアフライ。
フリードニアの乗っ取りを企てる隣国シルヴェニアのトレンティノ(ルイス・カルハーン)は、チコリーノ(チコ・マルクス)とピンキー(ハーポ・マルクス)という2人のスパイをファイアフライの元に送り込みますが、正体がバレたチコリーノは裁判にかけられ、ファイアフライの扇動によってテンションが上がったフリードニアの国民は高らかにシルヴェニアとの開戦を宣言するのでした。
「ひげダンス」の源流ここにあり
日本ではそれこそチャップリンやキートンほど有名ではありませんが、彼らにも強い影響を与えたマルクス兄弟。
「8時だョ!全員集合」のザ・ドリフターズのようなコントを繰り広げる人達やと思ってもらってほぼ間違いありません。
いやいや、マルクス兄弟がドリフターズの真似してるみたいなニュアンスになっちゃったけど、もちろん逆ね。ドリフターズがマルクス兄弟の二次創作物。
取り分け三男グルーチョの風貌が加藤茶と志村けんによる「ひげダンス」に少なからず影響していることは明白。あの「ひげダンス」はそもそも吉本興業のピン芸人Mr.ボールドが考案したもののパクリと言われていますけど、そこにグルーチョのコミカルな動きをミックスしたんでしょう。
「ひげダンス」以外にも、マルクス兄弟の映画は「8時だョ!全員集合」で見たことあるようなギャグがたくさん盛り込まれています(あ、またマルクス兄弟がドリフターズの真似してるみたいなニュアンスになってしもーた)。
「鏡の中の自分」とかね。
ただのコントに終わらず風刺も含まれてるけど、チャップリンの作品ほどでもないです。
ドリフターズで言うたらいかりや長介はこの人
ザ・ドリフターズを見ているような感じになると言うからには、マルクス兄弟の作品にはちゃんと、“いかりや長介的ポジション”の人物も出てきます。
グルーチョをして「6人目のマルクス兄妹」と言わしめたマーガレット・デュモンその人です。
【我輩はカモである】に限らずほとんどの作品において絶妙の立ち位置から常識的な目線でマルクス兄弟を見守る「○○夫人」を演じる大柄な女性。
グルーチョに辛辣なギャグ(ほぼ悪口)を吐かれるたびにどんどんハの字になって行く眉毛が面白すぎ。
下手したらこの人が一番面白いかも知れません。
映画【我輩はカモである】の感想一言
この笑いを分かるようになりたいもんですけど…。
ドリフ見すぎて飽きてんのかな?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。