2012年/イタリア、フランス、スペイン/監督:ダリオ・アルジェント/出演:トーマス・クレッチマン、マルタ・ガスティーニ、アーシア・アルジェント、ルトガー・ハウアー、ウナクス・ウガルデ、ミリアム・ジョヴァネッリ
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
ホラー映画【サスペリア】、【インフェルノ】などを手掛けたダリオ・アルジェント監督がブラム・ストーカーの怪奇小説「吸血鬼ドラキュラ」を映像化するとこうなりまっせ、という映画。
劇場公開時は3D上映されていたため3D向けの小手先の演出が満載。
3D上映された映画ってTVで観ると妙な「間 」があって気持ち悪くない?劇場では恐らくこの間 にスクリーンから何かが飛び出したりしてるんだよね?
ハリウッドの#metoo運動の立役者の1人(その後当人も元共演者から性的虐待被害で訴えられている)でダリオ・アルジェント監督の娘アーシア・アルジェントも出演しています。
彼女のヌードシーンもあるからなんとなく生々しいわ、【ダリオ・アルジェントのドラキュラ】です。
映画【ダリオ・アルジェントのドラキュラ】のあらすじザックリ
「町の名士」ドラキュラ伯爵
司書のジョナサン・ハーカー(ウナクス・ウガルデ)は、妻ミナ(マルタ・ガスティーニ)の親友でパスブルグの町長の娘ルーシー(アーシア・アルジェント)から、ドラキュラ城の書庫整理の仕事を紹介されます。
さっそくドラキュラ城を訪ねたジョナサンはその蔵書の多さに驚かされつつ仕事にかかりますが、城の主であるドラキュラ伯爵(トーマス・クレッチマン)の物腰柔らかく紳士的だけれどどことなく気味が悪い雰囲気に馴染めないでいました。
どうやらパスブルグの町民にとってドラキュラ伯爵が人の生き血をすする吸血鬼であることは公然の秘密であるらしい。
ドラキュラ伯爵は学校を建てたりお金を寄付したりして町に大きく貢献しているため、1人や2人彼の犠牲になっても誰も文句を言いません。町の発展と引き換えにドラキュラ伯爵のすることに口を出さないという“契約”が交わされているのです。町民の中にはドラキュラ伯爵のスパイのような小悪党も混じっています。
まあ町民なら誰もが知るこの“契約”を、町長の娘であるルーシーが知らなかったというのは少し無理があるんですけど…。何も知らないルーシーは結果的に、まんまと吸血鬼の根城にエサを放り込んでしまったということになるんですね。
しかしドラキュラ伯爵の本当の狙いはジョナサンではなく彼の妻のミナ。
町長宅でかつての最愛の妻ドリンゲンに瓜二つであるミナの写真を見つけたドラキュラ伯爵は、彼女を手に入れるため司書を探しているフリをしてハーカー夫妻をこの地へ呼び寄せたのでした。
だから比喩でもなんでもなくジョナサンは本当の意味で「エサ」。「前菜」。「小鉢」。
ごちそうさま。
【ダリオ・アルジェントのドラキュラ】オリジナル昆虫「カマキリ」
【ダリオ・アルジェントのドラキュラ】は「『3D』ありき」なので、3Dをより効果的に見せるために(かどうかは知らんけど)小説「吸血鬼ドラキュラ」が原作と言っていいのか悪いのか微妙なラインの改変が為されています。
飛び散る血しぶきを「3D」したいがためにスコップで頭カチ割らせたりとか、ドラキュラ伯爵の並外れた身体能力を「3D」したいがために集会で町民を皆殺しにさせたりとか、「そんなシーン原作にないない!」って描写がじゃんじゃんぶっ込まれているんです。
ドラキュラ伯爵の弱点を知る以外は普通の人間であるはずのヴァン・ヘルシング教授(ルトガー・ハウアー)なんて、お前がモンスターかってくらいの怪力になっちゃってるし(ドラキュラ伯爵の手下のスキンヘッドを壁に突き飛ばしただけで瞬殺する)。
究極は「カマキリ」。
原作小説によると、ドラキュラ伯爵は「夜の動物をあやつる(または変身する)ことができる」んだそうです。映画でもよくコウモリを操ったり狼に変身したりする姿を目にしますよね。
【ダリオ・アルジェントのドラキュラ】にも狼は出てきますが、「大本命ミナを拉致する」という大一番でドラキュラ伯爵が選んだしもべはなんと「カマキリ」。
本人が変身してんのか昆虫に催眠術かけてんのか知らんけど、これはなんやねん。
カマキリのカマで串刺しになった人間を「3D」したいがためにチョイス?
いやごめん分からへん。
映画【ダリオ・アルジェントのドラキュラ】の感想一言
かなり荒唐無稽ですけど散々申し上げてきました通り「『3D』ありき」の映画ですから、映画館で3Dで観ると結構笑えた(笑うんかい)んじゃないかなって思います。
しかも最終兵器「カマキリ」はそれまでの何もかもが吹っ飛んでしまうくらいのインパクト。こいつだけは3Dで観たかったよマジで。
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