【キャンディ】

映画【キャンディ(1968)】あらすじと不道徳極まりない破廉恥集団を観た感想

【キャンディ】

1968年/アメリカ・フランス・イタリア/監督:クリスチャン・マルカン/出演:エヴァ・オーリン、マーロン・ブランド、リチャード・バートン、ウォルター・マッソー、リンゴ・スター、ジェームズ・コバーン、ジョン・ヒューストン、シャルル・アズナヴール、ジョン・アスティン

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用
助手
可憐で無垢な美少女が突然目の前に現れたらどうしよう
助手
人助けする見返りに可憐で無垢な美少女の裸見られたら最高やん
助手
うまいこと口車に乗せて可憐で無垢な美少女とセックスできたらええのになあ

男ってこんなことばっかり考えとるんですかね?

少なくとも本日の映画に関してはこんなことばっかり考えてる男たちが製作したんだと想像して間違いないでしょう。

 

知る人ぞ知る、カルト的人気を誇る爆笑必至の珍(チン?)作【キャンディ(1968)】は、疑似的にではありますけども、そんな飽くなき男の欲求を叶えてくれる映画です。

「男の欲求が詰まっている」って聞くと下世話なエロ映画を想像しちゃうかも知れないけど、主人公のキャンディ・クリスチャン(エヴァ・オーリン)は超絶可愛いし衣装も映像も音楽も世界観も他にはないオシャレさあふれる映画ですから、意外と女性にもおすすめ。

 

 

映画【キャンディ(1968)】のあらすじザックリ

純真無垢な女子高校生キャンディは、チャーミングで魅力的な女の子。カリスマ詩人、庭師、天才外科医、ヨガの伝道師など、さまざな男たちが言い寄ってくる。戸惑い、時には押しの強さに負けながら、彼女は数奇な性体験を重ねていく。

 

 

次々とキャンディの虜になっていく男たち

大きな瞳、バラ色の頬、艶っぽい唇、煌めく黄金の長い髪、女神のようなプロポーション、天使の声。

女子高生キャンディ・クリスチャンに出会った者は次々と彼女の虜になってしまいます。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

ただそれだけ。

助手
…………へ?

いやだから。

キャンディに出会った人々が次から次へと彼女に夢中になってしまうだけの映画なんですよ。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

あは~ん。

助手
嘘ん!

ホンマですって。

しゃあないなあ…それでは、年甲斐もなく身の程もわきまえず、麗しのキャンディを我がモノにせんと奮闘する男たちをご紹介して参りましょう。

 

詩人マクフィスト(リチャード・バートン)

まずはキャンディの通う高校へ招かれてやってきたこの男。

有名詩人のマクフィスト(リチャード・バートン)氏です。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

有名人であるマクフィストの周りには常に風が吹いている。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

そしてそれは室内であったとて同じこと。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

そんなマクフィストの自慢の詩をひとつご紹介しましょうか。

燃え尽き深い悲しみに沈む生命よ

わが白昼夢の勝利のなかでわれはほがらかに怒りレベレケの眠りにつく

ワシの冠の夢が暗示する 黙して語らぬ者の毛穴を突く

彼らは言葉を清め肉の皮を供する 無名で悲痛な叫びを投げつける

泡立つイチゴのアイスクリームに砕かれし憂鬱なる情熱

くみ出せわが古き体液を

肉欲よ

何を言うてんねんこのおっさんは。

 

そしてキャンディに目をつけた詩人のおっさんは(名前呼んだれよ)、講義のあとキャンディを自宅まで送ることに成功します。この行為のどこにナンパとの違いがあるのかは私には分かりません。

ところが運転手付きの高級車の後部座席で甘い雰囲気に持って行ったまではよかったものの、詩人のおっさんは酒飲み過ぎてヘベレケになり、ヤリたいことをヤルことも叶わないません。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

何がしたかったんや君は。

何がって、ナニがしたかったんやろな。

 

庭師エマニュエル(リンゴ・スター)

キャンディの家に着く頃にはすでに酔っ払ってべろんべろんの詩人のおっさん。

車内で酒だか何だかよくわからない液体をまきちらしため汚れてしまった詩人のおっさんのズボンにアイロンをかけるため、キャンディは詩人のおっさんとその運転手、さらには庭で木の剪定をしていた庭師のエマニュエル(リンゴ・スター)を誰もいない自宅へ招き入れます。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

ええそうです。庭師エマニュエルを演じたリンゴ・スターってのは、あのリンゴ・スターです。

「これ大丈夫なんかな…」って不安になるくらい、以前から憧れていたキャンディを相手に筆おろしをするという幸運に恵まれるエマニュエルはあのリンゴ・スターで間違いありません。

このあとキャメラは愛娘と庭師がまぐわっている現場を目の当たりにした父親の貴重な姿を捉えます。うんいい映画だ。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

 

ちなみに若い人は知らないかも知れませんけど、詩人のおっさんを演じたリチャード・バートンも実は往年の名優です。

すみれ色の瞳を持つ大女優エリザベス・テイラーのパートナーだったことでも有名。

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帰宅したジョージとマーサ

こんな風に【キャンディ(1968)】には各分野の著名人がさらっと出演して遊んでるんで、どうぞお見逃しなく。

 

スマイト准将(ウォルター・マッソー)

庭師とヤリ散らかしてしまったキャンディは、パパ(ジョン・アスティン)、叔父にあたるパパの双子の弟ジャック(ジョン・アスティン:二役)、ジャックの妻リビア(エルザ・マルティネリ)とともにニューヨークへ引っ越すことに。

キャンディが家族と一緒に空港へ向かう間、一家の車を執拗に追ってくる3台のバイク。

バイクにまたがっていたのは弟を童貞のまま僧侶にしようと企んでいたエマニュエルの3人の姉たちでした。彼女らは弟エマニュエルが童貞を失ったことを知り怒り狂っていて、空港に降り立ったキャンディに襲い掛かります。

そして姉たちの攻撃からキャンディをかばったパパ(ジョン・アスティン)が頭に重傷を負う。

なにこのオトンめっちゃかわいそう。

そこへ通りかかった(?)のは軍用機に乗ったスマイト准将(ウォルター・マッソー)。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

スマイト准将はキャンディたち4人を軍用機に乗せ、パパの応急処置をする見返りに、娘のキャンディに男のロマンを要求してきます。

スマイト准将

親父さんは助けたる。

その代わり、裸見せてくれ。

こうして星降る夜空に男のロマンが駆け巡るわけですわ。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

いや製作陣さあコレ…、軍用機のコックピットでおっさんに追い込まれる裸の美少女撮りたかっただけやろ。

 

ドクター・クランカイト(ジェームズ・コバーン)

スマイト准将の応急処置なんぞで致命傷を負った人間の容態が良くなるわけもなく、結局病院へ担ぎこまれるパパ。心配そうなキャンディ。

大丈夫やでキャンディ、幸いにも大きな病院で脳外科の世界的権威が公開手術というかたちでパパを治してくれるから。

 

現れたのはいかにも名医っぽい風貌のドクター・クランカイト(ジェームズ・コバーン)。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

もうメスなんか1回使ったら終わりよ?

全部投げ捨てるからね。

「メス!」(切る)(床にかっしゃーん!)「メス!」(切る)(床にかっしゃーん!)「メス!」(切る)(床にかっしゃーん!)

手術終わったあと床に散乱したこのメスやら鉗子 かんしやら見たら分かるでしょ。

名医なんですよ絶対。

疲れて気を失ったキャンディに病院の理事長(ジョン・ヒューストン)と一緒に悪戯しようとしてるけど、

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

名医なんですよ絶対に。

ドクター・クランカイトと理事長(ジョン・ヒューストン)

その稀な演技力で到底演技とは思えないほどの気色悪い演技を見せてくれるのはやはり往年の名優お二人。

ドクター・クランカイトを演じたジェームズ・コバーンは、スティーヴ・マックイーンと共に師ブルース・リーの棺を運んだアクションスター。

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理事長を演じたジョン・ヒューストンはハンフリー・ボガート最高傑作(個人の感想です)【黄金(1948)】を手掛けた映画監督であり、【チャイナタウン】でも気持ち悪いラスボスを演じた個性派俳優でもあります。

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さすがでしょ?

気を失って横たわるティーンエイジャーを舐めるように見るこの目つき、さすがですよ。めっちゃ気持ち悪いやん。視線だけで妊娠させそう。股間がどうなってんのか想像すんのも嫌。どうやったらこんな表情できんの。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

演技ですよこれ。演技。

さすがですよねえ~。

 

カメラマン(エンリコ・マリア・サレルノ)

パパの無事を見届けて街へ飛び出したキャンディが出会ったのは、なんでも写す変なキャメラマン(エンリコ・マリア・サレルノ)。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

コイツは他に比べたらまだマシかな。

「君をスターにしてやる!」と言ってキャンディを食堂のトイレに連れ込むだけなんで。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

他と比べてキモさの度合いですか?

う~ん、とんとんやな。

 

せむし男(シャルル・アズナヴール)

怪しげなキャメラマンの魔手から逃げ出したキャンディ。トイレの水道管が破裂した現場に居たためワンピースはずぶ濡れ。薄手の着衣は透け透けのシースルードレス状態。絶対これも狙って撮っとる。

そんなキャンディに陽気に声をかけてくれたのは片言で話すせむし男(シャルル・アズナヴール)。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

彼がしきりに口にする「ラバダブダブしよう!」ってなんのことかと思ったら、要するに「セックスしよう!」ってことでした。

朱縫shuhou
なんじゃそら!

ここ(終盤)へ来て捻りの無いオチやったからまあまあ泡食いましたよ私は。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

結局自分もヤリたいだけかいな。

 

演じたシャルル・アズナヴールはフランスのシンガーソングライター。代表曲「帰り来ぬ青春」は日本でも尾崎紀世彦やピーターらがカバーしています。

 

グリンドル(マーロン・ブランド)

もうキャンディがどこに向かってんのか何がなんだか分かんないけど、最後の最後に超大物が出てきますよ。

なぜかトラックの荷台で生活してるヨガの達人(かどうかすらよく分からない)、グリンドル(浮いてない)。

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

この人誰だか分かります?

多分マーロン・ブランドです。

たぶんやで?

ちゃうかな?

そうそう、あのマーロン・ブランド。

【波止場】マーロン・ブランド
©On the Waterfront/波止場より引用

歳はとったけどやっぱりマーロン・ブランドですよね?(浮いてない)

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用

なんかちゃうような気もしてきた。

違う人かも分からへんな。

 

だってあんな大御所がこんな映画出る?

 

まあ昼夜問わずキャンディとヤリまくれる役どころやからマーロン・ブランドも出演を快諾したんちゃうかな。

(次の画像でグリンドルだけブレてんのは下から突き上げてるからです)

【キャンディ】
©Candy/キャンディより引用
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映画【キャンディ(1968)】の感想一言

朱縫shuhou

キャンディを演じたエヴァ・オーリンはスウェーデンの女優さん。

【キャンディ(1968)】以外の映画は観たことないけど、彼女の前では演技力うんぬんとかもうどうでもええよね。

どこを切ってもどの角度からどう映されてもとにっかくかわいい

 

今でも根強いファンがいる珍(チン?)作【キャンディ(1968)】をどうぞよろしく!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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