1994年/アメリカ/監督:ニール・ジョーダン/出演:ブラッド・ピット、トム・クルーズ、キルスティン・ダンスト、クリスチャン・スレーター、アントニオ・バンデラス、スティーヴン・レイ、タンディ・ニュートン
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人間の記者にインタビューされた吸血鬼がその半生を語る、異色のファンタジーホラー。
トム・クルーズとブラッド・ピットというハリウッドの二大スターが中世の王子様さながらのヒラヒラ衣装を着てイチャイチャする耽美な世界を堪能できるものだから、ある一定の層には絶大な人気を誇るけど、私にはその良さは全然分からない。
映画【インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア】のあらすじザックリ
ブラッド・ピットとアントニオ・バンデラスは絶対違う
人気ありましたよね~この映画。
ホントに一体、どこが面白いの?
18世紀末、ニューオーリンズの牧場主だったルイ(ブラッド・ピット)は、妻を亡くして失意の底にありました。そんな彼に目をつけたのが孤独な金髪の吸血鬼レスタト(トム・クルーズ)。
レスタトは自らの血を与え、ルイを吸血鬼の仲間に引き入れます。
これでルイの屋敷と大勢いる召使たちを使い放題になるはずだったのに、人間の心を捨てきれないルイはためらうことなく人の生き血を吸うレスタトに反発して、屋敷を燃やしてしまいます。
そうまでしたルイでしたが、レスタトを嫌悪しつつも結局他に頼る者などおらず、彼から離れることができません。
こんな感じで、吸血鬼になってからのルイは、吸血鬼の本能と人間の理性とのはざまで苦しむ儚くも強い心を持ったハイブリッド美青年設定。
「吸血鬼」側に引き寄せようとするレスタトを必死に拒絶するっていうね。
でもそもそもルイってさあ、妻を亡くした時点ですでに世捨て人みたいになってしまってたはずなんですよ。いつ死んでもいい、いやむしろ早く死にたいみたいな。
それなのにレスタトに血を吸われた時、どうして吸血鬼になることを選んだのさ。死を選ぶこともできたのに。レスタトが「吸血鬼になりたいか?」じゃなくて「苦痛から解放されたいか?」って聞いたから「Yes.」って答えたってこと?
どちらにせよあとになってから「こんなつもりじゃなかった」ってグズグズ駄々こねてるようにしか見えないんですよね。
吸血鬼になってしまってから「俺、人なんか殺されへん」とか言われましても、誰が聞いても「今更なに言うてんねん!」ってなりますよ。
ルイ役がブラッド・ピットであることもどうしてもしっくりこない。
繊細だけど不思議な強さを秘めたルイに魅せられるのはレスタトだけじゃなくて、後半に出会う吸血鬼アーマンド(アントニオ・バンデラス)もルイに対して「お前は美しい」とか言ったりするんですけどね、いやピッ君ってそんな感じか?
イケメンではあるけど「美しい」とか「儚げ」ではないじゃない?
エドワード・ファーロング(当時よ当時)とかオーランド・ブルームとか、もっと儚げで中性的な俳優いくらでもいたでしょうに。
もっと言うならアントニオ・バンデラスも絶対違うんですよ。
日光を浴びない吸血鬼をイメージして顔を白く塗ってるんですけどねえ、キャメラが寄ると自前の青ヒゲがうっすら映っとるんですよ青ヒゲが!
吸血鬼の毛穴とか嫌やん!
なぜに燃えるようなラテン系を配役か!
誤解のないように断っておきますが、私はブラッド・ピットもアントニオ・バンデラスも大好きです。
この配役がちゃうやろって言ってるんです。
トム・クルーズはラストで台無し
思いの外トム・クルーズは金髪も非情の吸血鬼役も似合ってて驚かされたものですが、いかんせんラストの「復活」と「高笑い」で台無し。
これに関してはトム・クルーズの演技や役作りが問題という訳ではなくて、そもそも脚本がイケてない。
最後の最後に「レスタト復活!」って、これ必要?
だから結局なんやったんやこの映画は。
インタビュアーはクリスチャン・スレーターだし(もともとは1993年に死去したリヴァー・フェニックスが演じる予定でしたが、クリスチャン・スレーターが仮にリヴァー・フェニックスのままだったとしても)、「豪華キャスト」と言えば聞こえはいいけどキャスト全員 放つ光がギラギラしすぎて 吸血鬼を扱った映画に本来あって欲しい厭世的な雰囲気はまるでなし。何なら観ればパワーがみなぎってくる。
視聴者が活き活きしちゃう吸血鬼映画ってどうよ。
映画【インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア】の感想一言
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。