1997年/アメリカ/監督:ジョエル・シュマッカー/出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジョージ・クルーニー、クリス・オドネル、ユマ・サーマン、アリシア・シルヴァーストーン、マイケル・ガス、パット・ヒングル
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

「ジョエル・シュマッカー監督作」という意味では【バットマン フォーエヴァー】に続く二作目となるバットマン・ムービー。
1995年/アメリカ/監督:ジョエル・シュマッカー/出演:ヴァル・キルマー、トミー・リー・ジョーンズ、ニコール・キッドマン、ジム・キャリー、クリス・オドネル、マイケル・ガフ、パット・ヒングル、ドリュー・バリモア、デビ・メイザー[…]
何が面白くなかったんだろうね?
主演こそヴァル・キルマーからジョージ・クルーニーに代わってますけど、執事アルフレッドを演じたマイケル・ガフもロビンを演じたクリス・オドネルも続投だし、本作からは紅一点のバットガール(アリシア・シルヴァーストーン)も増えてヒーローは3人になってます。これに合わせてヴィランもちゃんと3人に増えててパワーバランスも取れているはず。しかもヴィランにはアーノルド・シュワルツェネッガーとユマ・サーマンがキャスティングされてますからね。
ゴッサム・シティの世界観だって大ヒットした前作と似たようなもんですよ?ダークなティム・バートン版に対抗してかどうかは知らんけど、ギラギラのコミック調ネオン。
これだけお膳立てされていれば作りようによっては“シリーズ最高傑作”として語り継がれることだって可能だったでしょうに。
何が面白くなかったんだろうね?
映画【バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲】のあらすじザックリ
スーパーヒーロー・ムービーについて再考するきっかけを作った映画
【バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲】は前作【バットマン フォーエヴァー】と打って変わって、一般的には商業的にも批評的にも「失敗」の烙印を押されている映画です。
「失敗作」と言われる所以 のひとつとして、キャストは豪華だったのにキャラクターの魅力がほぼ皆無だったことが挙げられます。
主演のブルース・ウェイン/バットマン(ジョージ・クルーニー)なんてひとっつもええとこないもんね。なんか、薄くて。ペラペラで。ダークナイト(※バットマンの通り名のひとつ)は苦悩しながら戦うってのが定番なのに、本作のバットマンにはまったくと言っていいほどそれが感じられません。

前作【バットマン フォーエヴァー】でせっかく「オトンは兄を救った俺に『お前はROBIN だ』と言ってくれた」という感動的なお話を経てバットマンのサイドキック、ロビン(クリス・オドネル)としてヒーローデビューしたディックも、本作ではただの無鉄砲な若者。
バットマンを支える老執事アルフレッド(マイケル・ガフ)の病気の設定はなんやったら無くても良かったかも知れない。メインのヴィランであるヴィクター・フリーズ/Mr.フリーズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)の妻の病気と絡める意図があったのでしょうが(アルフレッドを治せるのはMr.フリーズが妻のために研究していた薬だけなんだってさ)、何しろMr.フリーズというキャラクターの悲劇性が薄いので緊張感がまるで無い。

唯一、ヴィランのひとりである植物学者パメラ・アイズリー/ポイズン・アイビー(ユマ・サーマン)の、化粧っけもない地味な学者からフェロモン全開のお色気怪人への変身ぶりはお見事です。でもこの変貌にしたってただ見ていてギャップが楽しいだけのこと。

バットマン&ロビンに続くニューヒーロー、バットガール(アリシア・シルヴァーストーン)と、最後のヴィラン、ベイン(マイケル・リード・マッケイ)については特に書くこともないかな。

まあ本作の失敗によってシリーズは一旦終焉を迎え2005年の【バットマン ビギンズ】で華麗に再起しますから、【バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲】はバットマン・ムービー、ひいてはスーパーヒーロー映画全体の方向性を見直す節目となる重要な作品であると言えなくもないですね。
映画【バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲】の感想一言

あと本作(と前作)について物議を醸したのはバットスーツの乳首ね。
スーツなのになぜかついてるんですよ、乳首。
しかも変身した時、わざわざこの乳首や股間や臀部がアップで映し出されるんです。
ティム・バートン版「バットマン」でもクリストファー・ノーランによるリブート三部作「ダークナイト・トリロジー」でもこのような演出は見られません。
最初に観た時ネタかと思って笑っちゃいましたよ。なんだったんでしょうね、このスーツ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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