1976年/アメリカ/監督:ジェームズ・ファーゴ/出演:クリント・イーストウッド、タイン・デイリー、ハリー・ガーディノ、ブラッドフォード・ディルマン、ジョン・ミッチャム、デヴァレン・ブックウォルター
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!


こんなこと令和の現代に職場で口にしようもんなら顰蹙買うどころか下手したら懲戒解雇食らいますよ。
われらがサンフランシスコ市警のハリー・キャラハン刑事(クリント・イーストウッド)はそんなこと気にせずじゃんじゃん口にしますけどね。
念の為に断っておきますけどハリーは何も「人事部のお仕事だけがオカマである」、と言っているわけではありません。察するに彼は汗水たらして現場を奔走する仕事こそが男の仕事であって、椅子に座って帳面書いたり電話取ったりするようなデスクワークは全部女性の仕事だと思っているみたいです。
公開は昭和51年か…。
かく言う私も初見の時はさっきのハリーのセリフも取り立てて問題と感じることなく普通に聞き流していましたね。ほんの50年ほど前の映画のキャラクターの台詞ひとつ取っても「現代だとアウト」ってことが増えましたわ。
多様性を重んじる現代にこそ改めて観てみるといいかも知れないポリス・アクション、【ダーティーハリー3】です。
1971年/アメリカ/監督:ドン・シーゲル/出演:クリント・イーストウッド、アンディ・ロビンソン、ハリー・ガーディノ、レニ・サントーニ、ジョン・ミッチャム、ジョン・ラーチ、ジョン・ヴァーノン注※このサイトは映画のネタバレしよ[…]
1973年/アメリカ/監督:テッド・ポスト/出演:クリント・イーストウッド、ハル・ボルブルック、フェルトン・ペリー、デヴィッド・ソウル、ロバート・ユーリック、キップ・ニーヴェン、ティム・マシスン注※このサイトは映画のネタバレ[…]
1983年/アメリカ/監督:クリント・イーストウッド/出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、パット・ヒングル、ブラッドフォード・ディルマン、ポール・ドレイク、オードリー・J・ニーナン、マイケル・キュリー、マイケル・V・ガ[…]
1988年/アメリカ/監督:バディ・ヴァン・ホーン/出演:クリント・イーストウッド、リーアム・ニーソン、エヴァン・C・キム、パトリシア・クラークソン、マイケル・カリー、マイケル・グッドウィン、デヴィッド・ハント、ジム・キャリー[…]
映画【ダーティハリー3】のあらすじザックリ
今度のバディは多様性を象徴する女性刑事
【ダーティハリー3】はそのタイトル通り、「ダーティハリーシリーズ」の三作目にあたる映画です。
事件解決のためなら汚れ仕事も厭わない“ダーティハリー”ことハリー・キャラハン刑事の本作でのバディは、シリーズ唯一の女性刑事ケイト・ムーア(タイン・デイリー)。しかも人事課から刑事に採用されたばかりの新米。

街なかでド派手な大捕り物を演じて警察に多額の損害を負わせたハリーは殺人課から人事課への異動を命じられます。市警上層部が殺人課でやらかしたハリーを閑職に追いやるけどそのあと凶悪事件が起こったため結局殺人課に呼び戻さざるを得なくなるってパターンは「ダーティハリーシリーズ」のスタンダードのひとつ。
今回のハリーの異動先は人事課で、さっそく刑事登用試験の試験官として面接をしていたハリーの前に現れたのが件のムーア嬢。
知識は深いけど内勤一筋で現場を経験したことがないというムーアに対して、ハリーはあからさまに「女なんかに刑事が務まるか!」という蔑んだ態度を取ります。面接も中途半端に切り上げちゃう。

ところがその後ムーアは、「人民革命軍」なるテロ組織が起こした市長の誘拐事件の捜査に乗り出したハリーのパートナーに任命されることになるのです。突出した能力があるわけでもないムーアがゴリ押しされてる理由は、警察の“多様性推進”にあるらしい。

映画が公開された1970年代後半はアメリカで女性の社会進出や権利運動が盛んに行われていて、【ダーティハリー3】にもそんな時代の潮流が如実に映し出されています。
テロ組織「人民解放軍」は相手にとって不足…あり
さてそんな、鳴り物入りで刑事になったムーアとともにハリーが挑む今回の事件は、先ほども申し上げました通り「人民解放軍」なるテロ組織がサンフランシスコ市長を誘拐して金銭を要求するというもの。
しかしこいつらがまあ~ハリーの敵(しかも三作目の敵)としては今一つ。
組織の野望や動機もふんわりしてるうえに、まずもって「ベトナム戦争の帰還兵でかなりヤバイ奴」って設定であるはずの組織のボス、ボビー・マックスウェル(デヴァレン・ブックウォルター)が、割と普通の犯罪者。

一作目【ダーティハリー】の敵スコルピオ(アンドリュー・ロビンソン)の方がよっぽどイカれてる。
1971年/アメリカ/監督:ドン・シーゲル/出演:クリント・イーストウッド、アンディ・ロビンソン、ハリー・ガーディノ、レニ・サントーニ、ジョン・ミッチャム、ジョン・ラーチ、ジョン・ヴァーノン注※このサイトは映画のネタバレしよ[…]
二作目【ダーティハリー2】での“正義の暴走”という大きなテーマと比較しても【ダーティハリー3】の悪役「人民解放軍」は単なる“反社会的集団”でしかなく平板で、少々物足りなさが残ります。
1973年/アメリカ/監督:テッド・ポスト/出演:クリント・イーストウッド、ハル・ボルブルック、フェルトン・ペリー、デヴィッド・ソウル、ロバート・ユーリック、キップ・ニーヴェン、ティム・マシスン注※このサイトは映画のネタバレ[…]
映画【ダーティハリー3】の感想一言

「女性である」というだけで軽視されていたムーアが、独特のスタイルで事件の捜査をするハリーに面食らいながらも必死で食らいつく姿はどんな屈強な男性よりも勇ましい。
男顔負けのガッツを見せるとはいえあのハリーが女性であるムーアをパートナーとして少しずつでも受け入れてゆくだなんて、従来の一匹狼的な「ダーティハリー像」からは考えられない彼の変化が見られるという点に於いて希少な映画です。
悪役が物足りないのに秀作に仕上がっている、という点でも希少。
1971年/アメリカ/監督:ドン・シーゲル/出演:クリント・イーストウッド、アンディ・ロビンソン、ハリー・ガーディノ、レニ・サントーニ、ジョン・ミッチャム、ジョン・ラーチ、ジョン・ヴァーノン注※このサイトは映画のネタバレしよ[…]
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。
















