【バグダッド・カフェ】映画レビュー:荒んだ心が癒されます

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20秒で読める概要とあらすじ

1987年/西ドイツ・アメリカ/監督:パーシー・アドロン/出演:マリアンネ・ゼーゲブレフト、CCH・パウンダー、ジャック・パランス

夫と喧嘩別れしたヤスミンが旅の途中で辿り着いたバグダッドカフェには人生を惰性で送る物憂い面々が揃っていた。ヤスミンはモーテルを兼ねているバグダッドカフェに滞在し、少しずつ人々の心を溶かしていく。

※このブログはスタンダードにネタバレしてます!未視聴の方はご注意ください!

モーテルにたどり着くヤスミン

©bagdad_cafe/バグダッド・カフェより引用

人気絶頂の漫画「ONE PIECE」、ご存知でしょうか?

「ONE PIECE」本編の魅力なんて語り出したら大変な事になる(←ファン)のでさておき、
コミックスの一話一話の合間に「S(質問を)B(募集)S(するのだ)」という読者投稿ページがあるんです。

毎回楽しみしているこのコーナーで、作中に出てくる「スパイダーズカフェ」という場所のモデルになった映画として記載されていたのが本作【バグダッド・カフェ】です。

この映画の存在を知らなかった私は急いで鑑賞!

舞台は気怠く埃っぽい砂漠のカフェ

全体像?

うーん……

気怠い!!

なんしかもーええ感じの気怠~い雰囲気が終始漂っております。
こんな世界観みたことない。

ところで、【バグダッド・カフェ】は知らなくてもテーマ曲の「CALLING YOU」は知ってるって人は多いかもしれません。

サビの歌詞がタイトルになってるので、タイトルのみで曲が頭に浮かびますよね。
「CALLING YOU」、【バグダッド・カフェ】の世界観に抜群にハマってます。
何かの拍子に突然歌い出す類の一曲。

閑話休題。

©bagdad_cafe/バグダッド・カフェより引用

ヤスミン(マリアンネ・ゼーゲブレフト)は夫婦での旅行中に夫と喧嘩別れして一人荒野を歩き、やがてバグダッドカフェに辿り着きます。

汗ぶっるぶるかきながらひたすら歩く…
中年夫婦がポンコツ車でどこまで旅行行ってんねん!

バグダッドカフェは「カフェ」と言ってもモーテルとガソリンスタンドを兼業してるので、ヤスミンはそこで宿を取ることになります。

そこで待っていたのは 気怠~い バグダッドカフェの面々。

●バグダッドカフェの女主人のブレンダはヒステリーで旦那さんや子供たちを終始怒鳴り散らしっぱなし。

●ブレンダの旦那さんでなんだか頼りなーいサルはブレンダを愛しているのに彼女が理解できず悩む。

●家族や稼業には無関心でひたすら大好きなピアノの練習ばかりしている息子のサルJr.

●思春期にありがちな都会や異性に憧れてオシャレにしか興味がない娘のフィリス

●使用人のバーテンは客が少ないのをいいことにしょっちゅう店内に据え付けたハンモックで勤務中お昼寝。

●モーテルに住む(「泊まってる」ってか…「住んでる」)住人は変な女刺青師デビー、変な画家のルーディ、変なブーメラン野郎のエリック

みんな普通で変で 気怠い 日常を送っておられます。

砂漠の描写もあってか、序盤のバグダッドカフェは全体的にセピア色で風景も建物も人物もすべての輪郭がぼやけていて、視力の悪い人が眼鏡をかけずに見る景色のようです。
(あ。一部の人にしか分からん例えをしてしもーた)

しかしヤスミンが現れてからのバグダッドカフェはみるみる人も景色も彩られ、鮮やかなコントラストを描き出します。

ただの太ったおばちゃん(いや只者ではないんやけどね)がみんなの心を変えていく様には、
淡々と進んでいくストーリーとは裏腹に高揚感を覚えます。

ドイツ人は○○が好き

掃除

ちょっと面白かったのがヤスミンがお掃除するトコ。

ヤスミンてドイツ人なんですけど、ドイツ人てお掃除大好きなの知ってました?

【バグダッド・カフェ】を鑑賞する少~し前にちょうどテレビで「ドイツ人は洒落にならんくらい掃除好き」とやっていたのを観てたもので、「おぉ、さすが独映画!」と思いました。

徹底的に掃除するヤスミン

©bagdad_cafe/バグダッド・カフェより引用

すごいんです。
お掃除の時のヤスミンの描写。

もともとバグダッドカフェが汚いんですが、それにしたって電話のコードにまで洗剤の泡泡つけて磨いちゃうもんね。

コードですよ?

本体ちゃうよ?

コードですよ?


洗ったことないわ。
てか今電話のコードないわ。なんかリアリティーがあって感心しました。

まあどんなけ細部まで掃除しようが、カフェの女主人ブレンダ(CCH・パウンダー)に見つかって「誰の許可得て勝手に掃除してんねん!」って激怒される結果に終わるんですけど…

不憫すぎるやろ。

手品(?)

掃除で怒られはしたものの、なんとかみんなと打ち解けようとめげないヤスミン。

部屋で落ち込んでるとふと目に入ったのはなんと手品セット。

手品道具

この手品セットには魔法の指南書でも同梱されていたんやろうと思ってますが…

あんな胡散臭い手品セットであそこまでの手品ができるのかどうかは……

置いといて。

良い意味で期待を裏切ってくれる作品

手段はなんであれ一生懸命生きてる彼女は少しずつバグダッドカフェを取り巻く人々の心を溶かしていきます。

中でも最初から最も相性の悪かったブレンダとは、その後の人生もきっとなくてはならないであろうかけがえのない親友と言っていいまでに通じ合います。

バクダッド・カフェは大繁盛!

©bagdad_cafe/バグダッド・カフェより引用

こーゆー映画にはアンハッピーエンドがありがちで、しかもドイツ映画は初めて観るのできっとアメリカン・サクセス・ストーリーのようなラストにはならへんのやろなぁと哀愁の気持ちで鑑賞してましたが取り越し苦労で終わりました。

超ハッピーエンドです。

【バグダッド・カフェ】を包む 気怠さ はそのままに、
バグダッドカフェにはもうギスギスした人間模様はなくなり、
何年も家族のように一緒に過ごすんやろうなーと素直に思えます。

まあ~ヤスミン!

©bagdad_cafe/バグダッド・カフェより引用

世界のどこかでこんな小さな奇跡のような出会いと出来事が起こっていればええなと思う、アラフォーです。

そしてこんな映画の影響受けちゃう「ONE PIECE」作者尾田栄一郎先生、やっぱり大好きです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。

【バグダッド・カフェ】を観たくなったら

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