【オリエント急行殺人事件(1974)】映画レビュー:元祖ポアロ

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20秒で読める概要とあらすじ

1974年/イギリス/監督:シドニー・ルメット/出演:アルバート・フィニー、ショーン・コネリー、イングリッド・バーグマン、リチャード・ウィドマーク、アンソニー・パーキンス、ジョン・ギールグッド、ヴァネッサ・レッドグレイヴ/第47回アカデミー賞助演女優賞受賞

バルカン半島南部で豪雪によって停車してしまった寝台列車オリエント急行で殺人事件が起きた。何者かが列車に侵入してきた可能性を除けば容疑者は被害者と同じ一等寝台車の乗客達。同じ列車に偶然乗り合わせていた国際的な私立探偵エルキュール・ポアロが密室殺人の謎に挑む。

※このブログはスタンダードにネタバレしてます!未視聴の方はご注意ください!

オリエント急行出発~!

🄫Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

いやあ~嬉しい!!

子供ができてからすっかり映画館に足を運ぶことができなくなっていましたが、この度めでたく【オリエント急行殺人事件(2017)】を観に行ってきました!!

【オリエント急行殺人事件(2017)】/2017年/アメリカ/ミステリー/アガサ・クリスティの長編推理小説「オリエント急行の殺人」を原作にした映画のネタバレ・感想・思い出です。

それに先駆けて復習がてら【オリエント急行殺人事件(1974)】を再視聴したのでレビュー残しときます。

観れば観るほどやっぱり【オリエント急行殺人事件(1974)】の完成度が高すぎて、「【許されざる者(2013)】映画レビュー:過度な期待は禁物」の記事に書いたみたいに新作が期待外れに終わりませんようにと祈るばかりですけどね…。

しかしこれ超えられるかあ~?!

すんごい面白いでえ~?!

くどいですがネタバレしてます!

未視聴の人は絶対に読まないでください!!

「初見」は一回しかないのです!!


初見の印象「これがかの有名な…!」

私はシャーロキアンではありますが、アガサ・クリスティは全然知りません。

興味はあるんですけど…まあ読む時間がないというか…。

初めてアガサ・クリスティの作品に触れたのが【オリエント急行殺人事件(1974)】であるわけですが、もう衝撃でしたね。

観終わった後しばらくフリーズしてました。

「こっ!これがミステリーの女王アガサ・クリスティ!!!」

フリーズ融けるのに4時間くらいかかったんちゃうかな。

(単に余韻に浸ってゴロゴロしてただけ)

参考 シャーロキアン = シャーロック・ホームズの熱狂的なファンの呼称

ラストまで真剣に推理してた

まさかの容疑者全員犯人!

ラストで名探偵エルキュール・ポアロアルバート・フィニー)よって完全に謎が解き明かされるまで、私は延々と犯人を捜していました。

殺されたラチェット

🄫Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

特に私は推理とか頭とか弱いんで(名探偵コナンですら全然わからん)、容疑者全員が笑ろてまうくらい共通する濃厚な動機があることに全然疑問を抱かず、「誰か1人の犯行」だと思い込んで最後まで疑わなかったんです。

寝台車会社の重役で友人ポアロに事件の解決を依頼するビアンキ(マーティン・バルサム)よろしく、「あいつや」「いや、絶対こいつや」「う~んそっちも怪しい」と 乗客全員犯人クサい! と思っていたのにも関わらず…全然分かりませんでした。

でもこんなん途中で気付く人いるの?

「もしかして全員犯人なんちゃうん」て?

あなたお気付きでした?

すごいね…。

巧みな観せ(魅せ)方に脱帽

アガサ・クリスティの数百ページもあろうかという長編小説を巧みに表現した映像技術が素晴らしいです。

事件の発端となったアームストロング事件は、冒頭のほんの数分の映像とそこに踊る新聞の見出しの文字だけで観客の脳裏に強烈な印象を焼き付けます。

アームストロング事件

🄫Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

またシドニー・ルメット監督はオリエント急行の車内の「狭さ」を表現することにもこだわっていて、これには現場のカメラマンやスタッフは悲鳴を上げていたようですがその甲斐あって 雪の中立ち往生する密室状態の列車内 という閉塞感が見事に増幅されています。

せまっ!!

狭い車内

🄫Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

ラストで犯人達がラチェット(リチャード・ウィドマーク)の胸に短剣を突き立てて行く回想シーンでは、1人1人が不気味に青く映し出され凄惨さよりもむしろ悲しみが伝わってきます。

キャラが立ってて一目瞭然

推理ものって小説にしろ映画にしろ、事件の謎を解く主人公さながらに容疑者や被害者の生活環境や人となりを一通り理解しておかないと楽しめないですよね。

それらを総合的に判断して推理を進めていくんですから。

【オリエント急行殺人事件(1974)】には周知の通り12人もの容疑者(犯人)が出てくるわけで、「誰が誰やったか分からんなってきた~!」ってなりそうなもんですが、全員が個性豊かでキャラが立ってて忘れようにも忘れられません。

…逃げてもすぐ捕まりそうなほどに…。

謎解きをするポアロ

🄫Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

最近の大人数のアイドルグループなんかは没個性すぎて私みたいなおばはんには全員同じ女の子に見えますが、こういった殺人を犯すような場合は雑踏に紛れられていいのかも知れん…。

エルキュール・ポアロの人物像

中でもエルキュール・ポアロのインパクトは【Mr.ビーン】で最初にローワン・アトキンソンを観た時のそれとなんとなく似ています。

ホテルの食事にケチをつけるほどのグルメで、何かにつけて哲学者の言葉や戯曲らしきものを引用する幅広い知識を持ち、人の心の底まで見透かすような鋭い視線は嘘をつくことを許しません。

そんな数々の難事件を解決してきた国際的な名探偵のはずなのに、どこかおとぼけた【Mr.ビーン】臭がするのもポアロの魅力の一つ。

オリエント急行乗りた~い

🄫Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

ベッタベタにポマード的なもんを塗りたくって七三に分けた黒髪にぴょこんと上向いた口髭をたくわえ人を妙な斜めの角度から見上げる小男。

2回目以降よく観てるとこの小男が急遽オリエント急行に乗り込もうとする時、他の乗客達が迷惑そうにしているのがよく分かります。

「あっちゃー…探偵乗ってきてもたけど大丈夫かおい~…」

【オリエント急行殺人事件(1974)】の撮影時、アルバート・フィニーは30代であったにも関わらずシドニー・ルメット監督にその演技力を見込まれ50~60代であるはずのポアロ役に抜擢されたそうです。

シドニー・ルメット監督のこの裁量が正解であったかどうかは【オリエント急行殺人事件(1974)】を観れば明らかですよね。

美しいだけではなかった女優

【オリエント急行殺人事件(1974)】でアカデミー賞助演女優賞を獲得しているのが殺されたデイジー・アームストロングの乳母をしていたグレタ役のイングリッド・バーグマン

おかしな乳母

🄫Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

彼女は当初ドラゴミノフ侯爵夫人役としてシドニー・ルメット監督にオファーされていたそうです。

しかしイングリッド・バーグマン自身が

「私、この おかしな乳母の役 がいい~。この役やったらやるよ~」

と希望し、宣言通り「おかしな乳母」をこの上なくおかしく演じることになりました。

いやはや~。

名優は自分に合った役を選ぶ眼力も持ってるんですかねえ~。

全然持ってない人もいるけどねえ~。

…メグ・ライアンのこと言うてんちゃいますよ~。

参考 「大ヒット作を断った俳優、受け入れた俳優たちの運命

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

【オリエント急行殺人事件(1974)】を観たくなったら

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