1948年/イギリス/監督:ローレンス・オリヴィエ/出演:ローレンス・オリヴィエ、ジーン・シモンズ、アイリーン・ハーリー、ベイジル・シドニー、ノーマン・ウーランド/第21回アカデミー賞作品・主演男優・美術・衣裳デザイン賞受賞
デンマーク王が急死した2ヶ月後、弟クローディアスが先王の妻ガートルードと再婚し王となった。葬式と結婚式が同時に行われるような母の早い再婚に釈然としなかった先王の息子ハムレットは、先王の亡霊から父がクローディアスに殺された事実を聞かされ復讐を誓う。
※このブログはスタンダードにネタバレしてます!未視聴の方はご注意ください!

🄫Hamlet/ハムレットより引用
映画・舞台(そもそも舞台なんか見たことないけど)・書籍全部含めて、「ロミオとジュリエット」よりも「リア王」よりも「マクベス」よりも「ジュリアス・シーザー」よりも先に、私が初めてウィリアム・シェイクスピアの世界に触れたのが本作でした。
シェイクスピアといえば悲劇だぜ~と思い込みながら観ましたが、意外と「そんなに悲劇でもないんちゃうん?」って思ったのを覚えています。
古い映画なのにセットもカメラワークも、そしてもちろん役者の演技もしっかりしていて見応えあり。モノクロ映像であるのがさらに作品の荘厳さを際立たせてます。
難解すぎたのでただ感じたことを書いてみる
荘厳で詩的で完成度が高くすげー映画なのは何となく分かります。何となくね。「はあーすげー…」って。(ホンマに分かってんのか)
しかし抽象的過ぎて意味が分からん部分が多々あるのよ私には!
とほほ…。
「ハムレット」は、読む者の視点によって多様に解釈できる戯曲である
出典:Wikipedia
あやっぱり?
だろ?
そのように(難解であるように)仕向けてるんやろシェイクスピヤ君。

🄫Hamlet/ハムレットより引用
だって現代では絶対言わへん言葉ばっかり言いよるしさー(当たり前)。普通に言うたらええのにめっちゃ気取った言い回しにしたりするからさー。
●「斧は悪しきところに振り下ろせ」
→「あいつガチ死ねし」
●「ああこの汚れた肉よ溶けて露となっておくれ」
→「もー俺死にたい」
●「雀が落ちるのも神の力。今なのか後なのかそれだけだ」
→「どうせ無理。今いこ」
●「死は私を捕えにやってくる。猛毒が魂を蝕んでいく」
→「剣に毒ぬるてお前!」
●「不倫の床で汗にぬれあいつと転がりもつれ…」
→「親戚のおっちゃんとヤりまくりやがって!」
最後の、父親が死んですぐ義理の弟と再婚した節度のない母ガートルード(アイリーン・ハーリー)を責めるハムレット(ローレンス・オリヴィエ)の「不倫の床で汗にぬれあいつと転がりもつれ…」ってセリフなんてもう最高。
普通に「親父が死んだ途端叔父さんと毎晩毎晩ヤりまくりやがって!」の方がまだ健全。
もっぺん言いますよ。
「不倫の床で汗にぬれあいつと転がりもつれ…」
なんかもう エッロエロ でしょ?
こんなエロい表現ある?
婉曲的なこの表現が美しいんだか逆に下品になってんだか、もーよー分からんことになっとります。しかもオカンに向かってそれやめて。息子にそんなん言われたら恥ずかしくて卒倒するわ。

🄫Hamlet/ハムレットより引用
そんなに悲劇でもないと思った理由
シェークスピアの四大悲劇
ウイリアム・シェークスピアの戯曲三八編のうち、『ハムレット』『オセロー』『マクベス』『リア王』をいう。いずれも一七世紀初めの作品で、人生に対する深い洞察を示している。
出典:コトバンク
冒頭にも書きましたが、私は【ハムレット】を観てあんまり悲しい物語やとは感じませんでした。…感情欠落?
だってハムレットは無事本懐(父の復讐)を遂げてますし、生き残った誠実で賢明な親友ホレーショ(ノーマン・ウーランド)が真実を後世に伝えると約束してくれて、誰にも誤解を受けることなく安らかに死んでいけるんですから。
これで復讐も果たせずたった一人で犬死に…なんてことになったらそれこそが悲劇ですよね。

🄫Hamlet/ハムレットより引用
とばっちりで死んでしまった愛しい母ガートルードは因果応報と言えないこともないし、恋人オフィーリア(ジーン・シモンズ)の死だけは想定外やったみたいですけどそれも「復讐」を誓った時点で「人を呪わば穴二つ」の代償と言いますかね…。
誰かを恨んで生きてきた人間は大概ロクな死に方せえへんもんですけど、ハムレットの死はとっても美しくて平和なものだと感じましたよ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。