【ベン・ハー】映画レビュー:神の御業に畏れをなす壮大な史劇

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20秒で読める概要とあらすじ

1959年/アメリカ/監督:ウィリアム・ワイラー/出演:チャールトン・ヘストン、スティーブン・ボイド、ジャック・ホーキンス、ハイヤ・ハラリート、ヒュー・グリフィス/第32回アカデミー賞作品・監督・主演男優・助演男優・美術・撮影・衣裳デザイン・編集・劇映画音楽・音響・視覚効果賞受賞

帝政ローマの時代に、国を失った民族に生まれた青年が苛酷な運命に巻き込まれ、ある時は復讐に燃え、ある時は絶望に陥りながらも、神が為す業により再生される迄の軌跡と、その遍歴において姿を顕して道を照す救世主を絡めて描く。
(出典:Wikipedia)

※このブログはスタンダードにネタバレしてます!未視聴の方はご注意ください!

壮絶な戦車戦争

🄫Ben-Hur/ベン・ハーより引用

いつも上記「あらすじ」欄の短い記述は自分で書いていますが、本作に関しては壮大すぎて簡潔に書ける自信がなかったので引用してます。

「いつもの調子で書いてええんかな…」ってちょっとビビるくらい、「絶対観ておくべき映画ランキング」などに軒並みランクインする名作【ベン・ハー】です。

まあ気負うことなくいつもの調子で書きますけど。

第32回(1960年)アカデミー賞で歴代最多の11部門での受賞を獲得し、その後1997年に【タイタニック】が同じく11部門受賞で並ぶまで37年もの間、その記録が破られることはありませんでした。
(さらにその後2003年の【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】が11部門受賞を果たしています)

紀元前(わお!)のローマ帝国のお話

なんと今から60年も前に制作された映画。

おお。

そして物語の舞台なんかもう紀元前です。

うわお。

…日本は何してた頃?

「○○原人」とかおった頃?

それとも卑弥呼様??邪馬台国?

はて…(調べる気ないんかい)

ユダヤの貴族だった若者が奴隷の身分にまで堕とされる

貴族のジュダ=ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)は母ミリアム(マーサ・スコット)と妹のティルザ(キャシー・オドネル)とともにエルサレムに居を構えていました。

エルサレムを統括するローマの新総督がやってくるのに先駆けて、旧友のメッサラ(スティーブン・ボイド)がローマ側の軍司令官としてベン・ハーを訪ねてきます。

昔話に花を咲かせたのち、メッサラはローマに協力するように求めますが、ベン・ハーは良い返事をしませんでした。

始まりは親友の裏切り

ローマの新総督が列をなして町を行進している時、屋上から見ていたベン・ハーとティルザの前にあった瓦が突如落下!

瓦が落ちましたよー

🄫Ben-Hur/ベン・ハーより引用

暗殺を企てたとしてベン・ハー一家が拘束されるのを、メッサラは擁護しようとせず見捨てたのが2人の因縁の始まり。

ガレー船での出会い

ガレー船の内部

🄫Ben-Hur/ベン・ハーより引用

罪人に仕立てられたベン・ハーの刑は死ぬまでガレー船の漕ぎ手をさせられるという過酷なもの。

蒸し風呂感たっぷりの船の底…大勢の男達が寿司詰め状態でオールを漕ぐ様は異様です。

私閉所恐怖症なんで寒気がします。

しかしこのガレー船で海戦のさ中ベン・ハーに命を救われた海軍総司令官アリウス(ジャック・ホーキンス)は、ベン・ハーを自身の養子とし、ローマの市民権を与えます。

参考 ガレー船=人力でオールを漕いで進む軍艦

故郷エルサレムへ戻る

自由の身となったベン・ハーはアリウスに感謝しつつもミリアムとティルザを探すためにエルサレムに戻ることを決意します。

CG不要!生身の人間を乗せた戦車の大迫力!

故郷に戻ったベン・ハーを待っていたのはかつての親友でありいまや宿敵のメッサラとの戦車競争対決でした。

「戦車」ってもちろんこんなんちゃいまっせ。

古代ギリシアやローマで流行ったという、四頭立ての馬車(←戦車)を駆って競技場を走り1番にゴールした者が勝ちのスポーツのこと。
馬も御者も少々のケガなんて当たり前、時に死人がでるほどの危険な代物。

ベン・ハーはこの競技で常勝しているメッサラと対決することになるのです。

戦車競走のベン・ハー

🄫Ben-Hur/ベン・ハーより引用

【ベン・ハー】でもっとも有名な場面。

俳優(スタントマンであっても)の息遣いやしなやかな筋肉の躍動、強靭な馬脚に踏み付けられ巻き上がる土煙、生身のエキストラ一人一人の不規則な動き…

当たり前ですが一切CG無しで撮影されていて臨場感が半端ないです。

現代のCG技術をすべて駆使したとしても足元にも及ばないでしょう。

古代の映画でCGといえば以前に「【300】映画レビュー:「筋肉とRPG大好き」これ観たら?」の記事を書きましたが、【300】はどちらかといえば戦闘シーンでまで「うわあー綺麗やなあ~…」魅せられてしまいます。

片や【ベン・ハー】の戦車競争のシーンは実際に競馬やF1レースを観ている気持ちに近いです。

接着剤でくっつけてるんかなと思うくらい隣同士ぴったりくっついた8頭の馬が全力疾走のままコーナリングしたりするんで、「ああーっ!危ない危ないっ!」と口をついて出てしまいそうです。

「こーけーるうーっ!」

戦車競走の一幕

🄫Ben-Hur/ベン・ハーより引用

大勢で観てたらきっと歓声が沸くでしょう。

ちなみに【ベン・ハー】は完成までに8年間、この戦車競走の撮影だけで4ヶ月を要しているそうです。

ベン・ハーの危機を何度も救ってくださる「あのお方」

さてまあ戦車競争の結末とその後のベン・ハーについては本編をご覧いただくとしまして、
【ベン・ハー】にはベン・ハーが「もう駄目だ…」という状況に陥るたびに救ってくれる重要人物がいらっしゃいます。

冒頭でマリア様が産み落としたイエス・キリストです。

てかキリストって「馬小屋」で産まれたんちゃいましたっけ?
【ベン・ハー】ではマリア様の周囲をがうろちょろしてます。
ここ牛小屋??

タイトルを【ベン・ハー】と認識して観ていると突然キリストが絡んできてびっくりするかも知れません。私びっくりしまして、ええ。

あまり余計な下知識を入れずにとりあえず1度観てみるのが好きなので(気に入ったらそのあと色々調べてさらに何度も観る)、映画の冒頭の馬牛小屋のくだりも、最初はベン・ハーが産まれたのかと思ってました。

原作の小説には【Ben-Hur: A Tale of the Christ(ベン・ハー/キリストの物語)】とちゃんとサブタイトルに「キリストの物語」と入ってるので、原作のままのタイトルだったらきっとアホな私でも冒頭で「この馬牛小屋で赤ちゃんを抱いているのはマリア様やな、ふむふむ」とうなずき、その後ベン・ハーを救った人物の神々しさも理解できたはず。

実際は「誰やこいつ」と思いながら観てたんで、はは。

水を差しだすイエス・キリスト

🄫Ben-Hur/ベン・ハーより引用

キリスト教圏でメガヒットなのは間違いないけど…

信心深くなくて申し訳ないんですけど、…いや、墓参りとかはちゃんと行くんで信心深くないわけではないですが、キリストの存在感が日本人の私には理解しがたい部分もあります。

顔も見えないキリストは最終的にはミリアムとティルザの体を蝕んでいた病すら治してしまわれるという救世主っぷりを発揮し「信ずる者は救われる」感がすごいんですけど…

えっそんなに?!

キリストってそんなに?!

ってついて行けない時が正直あります。

それを差し引いても絶対おすすめの名画ですけど。

蛇足ですが【ベン・ハー】にはベン・ハーと宿敵メッサラが昔恋人同士だったという裏設定もあるそうです。この視点で観てみるとベン・ハーとメッサラの因縁がより深まるようでまた違った面白さが出てきますよね。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

【ベン・ハー】を観たくなったら

朱縫shuhou
【ベン・ハー】はアカデミー賞作品賞を獲得しています。

歴代アカデミー賞作品賞受賞映画が見やすく一覧になっている記事はこちらからどうぞお~。


「名作映画(洋画)は絶対おすすめ!歴代アカデミー賞作品賞受賞映画一覧」を見てみる。

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