【我が道を往く】映画レビュー:「起承承結」の静かで暖かいドラマ

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20秒で読める概要とあらすじ

1944年/アメリカ/監督:レオ・マッケリー/出演:ビング・クロスビー、バリー・フィッツジェラルド、リーゼ・スティーヴンス、ジーン・ロックハート、ジーン・ヘザー/第17回アカデミー賞作品・監督・主演男優・助演男優・脚色・原案・歌曲賞受賞

古びたセント・ドミニク教会にやってきた若い神父オマリーは、厄介な街の住人や金にがめつい家主や家出少女と心を通わせ、不良少年達を集めて聖歌隊を作る。街中が活気づき、やがて奔放なオマリー神父に嫌悪感を示していた頑固者の老神父にすら変化があらわれる。

※このブログはスタンダードにネタバレしてます!未視聴の方はご注意ください!

ワンちゃんもらってきたよーん

©Going My Way/我が道を往くより引用

あれがないんです、この映画。

多くの映画に於いて開始90分前後でやってくる「あれ」

あれですよ、物語を作るうえで重要な「あ~れ」、「起承転結」「転」

「転」がないんですよ。

「起」から始まって、

それからそれから~?っと「承」の部分へと移行し…

「承」…

観れども観れども…

「承」…

「承」「承」…

朱縫shuhou
「転」がこねーな…
結!

©Going My Way/我が道を往くより引用

「結」!!!

朱縫shuhou
終わった!!!

「承」ないタイプのやつや!!

【我が道を往く】です。

嫌いではないはずの手法なのにあきまへん

私がパッと思いつく「起承結」の映画といえば【ドライビングMissデイジー】。めっちゃ好きです。

ただ爺さんと婆さんがしゃべってるだけ。取り立てて大きな事件も起こらない。でも大好きな映画です。めくるめく派手な演出や怒涛のように押し寄せるパワフルなアクションで話題となる「起転転結」系の映画なんかよりよっぽど好きです。

【ドライビング Miss デイジー】/1989年/アメリカ/その他(ドラマ)/偏屈者の未亡人デイジーと陽気で誠実な黒人の運転手ホークの交流を描いた映画のネタバレ・感想・思い出です。

…のはずなのに、同じように淡々と物語が進行していく【我が道を往く】はあんまり面白く感じられなかったのはなぜでしょう。

財政難の教会を救いにきた神父が街ごと救う

老神父フィッツギボン(バリー・フィッツジェラルド)が建てたニューヨークのセント・ドミニク協会は深刻な財政難に陥っているにもかかわらず、頑固で変わり者のフィッツギボンは一向に打開策を講じようともしません。

そこへ若い神父オマリー(ビング・クロスビー)が派遣されてきます。

あとで分かることですが、オマリー神父はその手腕を見込まれ、こうした「問題のある教会」に派遣されては立て直していくという「教会コンサルタント」的な役割を担っているみたい。

ひょうひょうと捉えどころがない人物でありながら、どんな人の話もよく聞き誰に対しても親切で、時に必要であれば機転を利かせ小さな嘘をつくこともあります。

人によって態度を変えるお手本

このオマリー神父には、母の立場として「見習わなくっちゃ」と強く思った部分がたくさんありました。

野球を教えるように歌を教える

©Going My Way/我が道を往くより引用

例えばオマリー神父が不良少年達に歌を教える場面。

オマリー神父は暇を持て余しちびっ子ギャング団と化している街の少年達にセント・ドミニク教会の聖歌隊をお願いするのですが、指導するにあたって歌うことをいちいち少年達が大好きな野球に例えます。

オマリー神父
このパートは重要やねんぞ

野球で言うたら○○や

ツッパリ少年達もこれには思わず笑みがこぼれ、「ふんふん、そう言われるとなんか面白そう…」とばかりに歌うことにのめり込んでいくのです。

歌を歌いながらキャロルの事情聴取

©Going My Way/我が道を往くより引用

一目惚れに近いような男と半同棲状態にある家出娘キャロル(ジーン・ヘザー)の事情聴取(?)をする場面では、頭ごなしに怒るのではなく、「どのような経緯でこうなったんだい?」ときちんと言い分を聞いてくれます。

頑固者のフィッツギボン神父に対する態度もまた子供達へのそれとは全然違うもので、相手を見て(いい風に)対応を変えるってすごいなあって感心しながら観てました。保育士さんとか看護士さんとかも似た能力を持ってるような気がします。子供に好かれる対応とか、ホント見習いたい。

権力者にへつらうのは得意やねんけどな。

1944年公開…映画作ってる場合じゃなかったんかな?

どっかーんと大事件が起こる訳でもなく、オマリー神父がフィッツギボン神父や町の人々と分け隔てなく普通~に交流してはるなあ~と思っていたら、いつの間にやら財政難だったセント・ドミニク教会は立て直っていて、オマリー神父は惜しまれながらまた次の教会へ派遣されていく…というお話。

フィッツギボン神父とも心を通わせるオマリー神父

©Going My Way/我が道を往くより引用

戦時中にもかかわらず一切そのことには触れず、何のアクションも派手な見せ場もない若い神父と老神父のやりとりを中心に、物静かな語り口のうまさによって、オスカーを大量に受賞したのであった。

出典:Wikipedia

1944年にアメリカで公開された【我が道を往く】がアカデミー賞を受賞した背景にはやっぱり戦争があって、混沌としたこの時代にどれだけ人々がこういった人間味溢れる娯楽を求めていたのかがうかがい知れる映画です。

しかし戦後70年以上が過ぎた現代に観ると少し物足りない感が残ります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

【我が道を往く】を観たくなったら

朱縫shuhou
【我が道を往く】はアカデミー賞作品賞を獲得しています。

歴代アカデミー賞作品賞受賞映画が見やすく一覧になっている記事はこちらからどうぞお~。


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