【クリムゾン・タイド】映画レビュー:老練と精鋭のぶつかり合い

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20秒で読める概要とあらすじ

1995年/アメリカ/監督:トニー・スコット/出演:ジーン・ハックマン、デンゼル・ワシントン、ヴィゴ・モーテンセン、ジョージ・ズンザ、ジェームズ・ガンドルフィーニ

ロシアからの核攻撃に備え、アメリカは原子力潜水艦アラバマを出撃させる。しかしミサイル発射の指令通信がアクシデントにより中断され、発射の是非をめぐって艦長と副艦長が内部で対立することになってしまう。

※このブログはスタンダードにネタバレしてます!未視聴の方はご注意ください!

アラバマへ乗り込むラムジー大佐

©crimson tide/クリムゾン・タイドより引用

「艦の名を知っているな?」
————「知っております」

「栄光に輝く名だ」
————「栄光に輝く名です」

「艦員は粒ぞろい」
————「粒ぞろいです」

「誇り高いアメリカ人だ」
————「その通りです」

「世界最高の国だ」
————「世界最高の国です」

「その艦の名は?」
————「”アラバマ”です」

出典:【クリムゾン・タイド】字幕

出航の日、雨の中愛犬ジャックラッセル・テリアのリードを大事に握って軍の雨具に身を包んだラムジー大佐(ジーン・ハックマン)が颯爽と現れ部下に叫び問いかけ士気を上げる。

冒頭15分で鳥肌に全身覆われ余りの格好良さに目頭が熱くなる映画もそうあるまいよ。

記念すべきブログ記事一発目に選んだのは1995年公開のヒーローアクション【クリムゾン・タイド】です。

ヒーローアクション最高!

ヒーローものはまずストーリーが明確で分かりやすいし、当然ながらとにかく主人公(若しくはそれに類するヒーロー役)が無条件にキザでクールでカッコいいものが多いです。

前述の問いかけの台詞にも表れているように、その傾向はアメリカ映画に特に顕著なような気がします。

純日本人でしかもアメリカなんて行ったこともない私ですが、

アメリカ…好きなんですよね…(うっとり)

「なんでもアメリカが一番だと思っているいけ好かない国」との見解もあるとは思いますが、あの強烈なリーダーシップと、自国への愛国心とプライド、そして日本ではありえない多民族の融和。

紛れもなく一番でしょうよ。

そんな「世界の平和は我らアメリカにかかっている!」と言わんばかりのトキの声を上げて原子力潜水艦アラバマ号は深海へと出航するのです。

アラバマ号に乗り込むラムジー大佐

©crimson tide/クリムゾン・タイドより引用

戦争映画はわかりませ~ん

私は戦争映画に弱くて(国際関係や政治問題や果ては地理自体もよくわかっていない)、親友の映画オタクのMr.人畜無害(この人物についてはそのうち記事にしようと思っています)に概要を説明してもらってから観たりします。

●「この映画では〇国と〇国が戦っています」
●「宗教的に合わないから戦争に発展したわけです」
●「要するに領土の奪い合いです」

てな感じで教えてもらってから…

って、どんなけわかってへんねん。

【クリムゾン・タイド】では以下のように理解。

ロシアがアメリカに核攻撃をすると宣戦布告

それに対抗すべくアメリカは原子力潜水艦アラバマ号を出撃

ロシアの核攻撃が現実のものとなればすかさず迎撃せねばなりませんが、その核ミサイルの発射をめぐって二人の上官が対立

はっはあ~ん。

あっそぉ~。

そーゆーことぉ~。

そもそもジーン・ハックマンが好き

いやもうとりあえずジーン・ハックマンが好きでしてね。

【俺たちに明日はない】【フレンチ・コネクション】の頃から只者ではないオーラが出てましたが、【クリムゾン・タイド】ほどのハマり役はないと勝手に思っております。

【クリムゾン・タイド】では序盤からそれが全開です。

とにかくラムジー大佐とハンター少佐の対決がカッコいい!!

アメリカ最強の原子力潜水艦の艦長を務めるのがジーン・ハックマン扮するラムジー大佐、若くして副艦長に任命されたのがデンゼル・ワシントン扮するハンター少佐です。

近年デンゼル・ワシントンは悪役が多くなってきたような気がしますが、やっぱり彼の持つルックスと品格と雰囲気は優等生キャラがしっくりきます。

実践経験豊富で自信過剰なラムジー大佐とエリート街道まっしぐらのハンター少佐の対比が明快で素晴らしい。

ただ睨み合う戦いに固唾を飲んで見守るのみ

序盤、氷雨(想像)が激しく窓を打つ海軍の一室でハンター少佐がアラバマ号の副艦長として適任かどうか面接を行うシーン…

面接するラムジー大佐

©crimson tide/クリムゾン・タイドより引用

二人とも冷静に話してはいますがお互い出方を伺うピンと張りつめた空気。

淡々と確実に交わされる二人の会話以外に聞こえるのは窓の外の雨音だけ。

朱縫shuhou
この怖そうなおっさんは一体何を考えてんのや…

なんかいらん事言うたら一瞬でプチってキレそうや怖え…

画面の前の自分も思わず息を殺しちゃいます。

二人の対比に一役買っているもの

クリムゾン・タイドでラムジー大佐とハンター少佐が対峙する時、自分の肩越しから相手の射るような眼差しを映すカットが数多くみられます。

そして数秒でお互いの視線が切り替わり、切り替わるたびに自分が睨まれているような気がして手に汗握ります。キャメラワークにも着目して観てると楽しいかも。

大佐に歯向かうデンゼル・ワシントン扮するハンター少佐

©crimson tide/クリムゾン・タイドより引用

特にラムジー大佐は迫力ありすぎて、

大佐とは相反する自分の信念を曲げようとはしないハンター少佐に

朱縫shuhou
 やめとけって!怒ってるやん!大佐怒ってるからそれ以上言うなって! 

ってビビッてアドバイスしてあげたくなる事請け合い。

どちらにも共感できる各々の正義

結果として【クリムゾン・タイド】の対立する二人の取った行動、軍隊の規約としてはどちらも間違っていないようです。

しかし回避しようのない事件がいくつも重なって各々が各々の正義に従って意見を違えるしかない(例え相手が上官であろうとも)状況に陥ってしまいます。

対立するジーン・ハックマントデンゼル・ワシントン

©crimson tide/クリムゾン・タイドより引用

【クリムゾン・タイド】の9割は狭く閉ざされた潜水艦の限られた人員の中で静かに、次第に激しく繰り広げられていきます。

映画やドラマや小説、物語を鑑賞する際に、当事者に置き換えて自分だったらどうするだろうと考えたりしませんか?

大概は主人公に感情移入して肩入れして観たり、影のある悪役に心奪われてコッソリ応援しながら観たりと、どちらにしてもその対象は冒頭からエンディングまで変わることは余りありませんが、【クリムゾン・タイド】ではフーラフラします。

お約束します。

自分が優柔不断になった気分になります。

ラムジー大佐の独断に「うんそうそう!何十年も実践経験積んでる大佐の考えは若造にはわからんやろ!青二才ひっこんどけ!」フーラフラ。

ハンター少佐の理詰めの反撃に「そうや!国や国民の事を考えたら実践経験も関係あるかい!状況を判断せぇよ!この古ダヌキ!」フーラフラ。

挙句の果てにラムジー大佐とハンター少佐の双方についた船員に関しても「こっちにつかんかーい!」「いややっぱりあっちにつかんかーい!」フーラフラ。

それほどジーン・ハックマンとデンゼル・ワシントンのリーダーシップが画面を通じてビシバシ伝わってくる映画です。

©crimson tide/クリムゾン・タイドより引用

しかし結果、観たあとに「ほら大佐(若しくは少佐、のどちらか)の方が正しかったやーん」と云う気分にはなりません。

「はぁ~…どっちもカッコ良かった~」と、澄み渡った青空のような爽快な気分で、数週間のあいだ、

朱縫shuhou
艦長より無線へ!艦長より無線へ!

潜水艦乗りごっこをしてしまうことでしょう。少なくとも私はしました。

去っていくジーン・ハックマン

©crimson tide/クリムゾン・タイドより引用

「老兵は死なず、ただ去るのみ」

【クリムゾン・タイド】のラストの為にある言葉のような気がしてなりません。

ちなみに、【クリムゾン・タイド】で重要な役割を担うヴィゴ・モーテンセン、彼も大好きなんですが、彼の青い瞳の魔力については「ロード・オブ・ザ・リングシリーズ」もしくは「G.I.ジェーン」等記事にする時に探求いたします。

ヴィゴ・モーテンセン

©crimson tide/クリムゾン・タイドより引用

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

【クリムゾン・タイド】を観たくなったら

朱縫shuhou
ヴィゴ・モーテンセン扮するアラゴルンが大活躍する映画、「ロード・オブ・ザ・リングシリーズ」三部作の記事はこちら!
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