【ネットワーク】ウィリアム・ホールデンとロバート・デュヴァル

映画【ネットワーク】あらすじと感想。「私は怒ってる!もう耐えられない!」

【ネットワーク】ウィリアム・ホールデンとロバート・デュヴァル

1976年/アメリカ/監督:シドニー・ルメット/出演:フェイ・ダナウェイ、ウィリアム・ホールデン、ピーター・フィンチ、ロバート・デュヴァル、ウェズリー・アディ、ネッド・ビーティ、ベアトリス・ストレイト/第49回アカデミー主演男優・主演女優・助演女優・脚本賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ
©network/ネットワークより引用

ウィリアム・ホールデンフェイ・ダナウェイピーター・フィンチロバート・デュヴァルと言った豪華俳優陣の競演で話題となったTV業界人を風刺したアバンギャルドなシリアスドラマ。

監督は【十二人の怒れる男】【評決】シドニー・ルメット

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【評決】のポール・ニューマン

TV業界といえばインカムつけて何十台ものモニターに向かって「3、2、1、キュー!」なんて言ってる場面が思い浮かんだりしてカッコいいイメージですけど、内情はなかなか殺伐としていることで知られますよね。「TV業界の闇」とか言ってね。近年特に。

 

まるで“視聴率”という名の悪魔にでも取り憑かれたかのような業界トップの、滑稽なドタバタ劇をお楽しみください。

【ネットワーク】です。

 

 

 

映画【ネットワーク】のあらすじザックリ

番組の視聴率低下のため、大手ネットワークUBSのニュースキャスター、ハワードの解任が決定。欝状態に陥ったハワードはその夜の生放送で翌週の公開自殺を予告する。著名なキャスターの狂態は世間に一大センセーションを巻き起こし、報道部部長のマックス、新鋭プロデューサーのダイアナ、責任者のハケットを巻き込んだ大騒動へ発展する。

 

 

有名キャスター、ハワード・ビールの降板

TV局UBSの報道番組で25年間キャスターを務めたハワード・ビール(ピーター・フィンチ)が、視聴率の低下を理由に降板させられることになりました。

【ネットワーク】ウィリアム・ホールデン
©network/ネットワークより引用

報道部責任者でハワードの親友でもあるマックス・シューマッカー(ウィリアム・ホールデン)がハワードにそのことを伝えると、ハワードは「俺は自殺する…生放送中にTVで自殺してやる…」と言い出します。

 

生放送で自殺宣言

まあ上司と部下とはいえ親友同士が飲んでる席での発言なので、自分の降板に対して大袈裟に異議を申し立ててるだけだろうと思いきや、ハワードは次の生放送で本当に自殺を予告してしまいます。

ハワード

私は来週でこの番組を去ります。

来週の放送中に自殺しますんでよろしく!

朱縫shuhou
言うてしもうた………(ポカーン)。

その後も生放送でのべつ幕無し企業の在り方や体制社会に物申し続けるハワードにお茶の間は釘付け。視聴率は記録的数値を叩き出し、ついには「ハワード・ビール・ショー」なるエンターテインメント番組まで製作されてしまいます。

「ハワード・ビール・ショー」
©network/ネットワークより引用

番組内でハワードが大衆を煽って高らかに叫ぶ私は怒ってる!もう耐えられない!I’m as mad as hell, and I’m not going to take this anymore!と言うフレーズは、合言葉のように大衆に浸透。番組は大当たり、視聴率はうなぎ登り、ハワードの降板も立ち消え。

UBSは業績回復どころか業界全体を脅かすほどの絶頂期を迎えます。

 

ちなみにこの時点ですっかりイカれてしまっているハワードは、番組で社会への怒りをぶちまけたあと、白目を向いてぶっ倒れる(本気)のが定例。

そりゃこんな番組面白いよね。

 

 

TVの申し子との恋

大ヒット番組となった「ハワード・ビール・ショー」の製作責任者は、若き敏腕女性プロデューサー、ダイアナ・クリステンセン(フェイ・ダナウェイ)。

“視聴率こそ我が人生”となってしまっている人種の典型。

【ネットワーク】フェイ・ダナウェイ
©network/ネットワークより引用

意外にもダイアナは学生時代から大学で教鞭を執っていたマックスに憧れていて、マックスもそんな彼女に惹かれ、二人は不倫関係になります(ダイアナはバツイチ、マックスは妻子あり)。

しかしマックスは、“TVの申し子”であるダイアナにとって自分は「彼女の物語のいち登場人物」に過ぎないことに気付いてしまい、「この番組はハッピー・エンドでした。はいコマーシャル」と言い残して去って行きます。

この去り方がオシャレでホントに最高。中年の不倫愛の終わりのお手本にしたい感じ。

 

そしてマックスに自分の本性を指摘されてる時のダイアナの表情も最高です。

TVの申し子ダイアナ
©network/ネットワークより引用

 

 

「そうしよっか」納得のエンディング

もう一人の曲者がいますよ。

実質UBSの責任者である(実際はUBSを買収したCCAのお偉いさん)フランク・ハケット(ロバート・デュヴァル)。

密かにハットって呼んでるのは私だけではないはず。

だってみんな絶対ロバート・デュヴァルが大好きだから。

ハゲット…ハケット。ロバート・デュヴァル
©network/ネットワークより引用

「ハワード・ビール・ショー」での暴走が止まらないハワードは、ある日の放送でうっかりUBSのスポンサーであるアラブ人を批判してしまいます。

それを観て怒り狂うスポンサー。

ハワードを気に入っていて絶対に降板させないと言うUBS会長。

スポンサーとUBS会長の板挟みになって取り乱す器の小さいハゲット。

 

そして収集つかなくなった事態を丸く収めるためにハゲットやダイアナら番組責任者が取った行動が実に突拍子もない。

「ハワードを殺そう」
©network/ネットワークより引用
番組責任者一同
ハワード殺すか…。

なんでそこ行くねん。

 

て、普通なら冗談だと思いますよね?

 

でもね、ここまで約2時間弱、この業界人たちと接していると、最後には自分も会議に出席している気分になって、「そうしよっか」と賛同してしまうんですよ。

「視聴率のためなら仕方ないな」みたいな。

 

ほうらあなたも業界人。

 

 

映画【ネットワーク】の感想一言

朱縫shuhou

【ネットワーク】に出てくる業界人はみんな、どことなく芝居がかっていて大袈裟で、ダイアナに限らずひとりひとりがまるで自分の人生をひとつの番組として“演じて”いるようです。

 

視聴者にウケる番組を作ることばかり考えているとこんな風になっちゃうのかなって、そんなワケないのに妙に説得力があって、本人たちは大真面目なのにそう言った部分につい笑ってしまいます。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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1902年公開の【月世界旅行】から2010年公開の【ブラック・スワン】まで。
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