2004年/アメリカ/監督:ケヴィン・スミス/出演:ベン・アフレック、リヴ・タイラー、ジョージ・カーリン、ラクエル・カストロ
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
痛みに弱い私は若い頃、出産を過剰に恐れていました。
「絶対無痛分娩で産んでやる!」ってずっと思っていましたし、子供は欲しいけど出産が怖すぎて養子を迎えようかとか代理出産してもらおうかとか真剣に考えたこともあります。
そんな私の「出産恐怖症」に拍車をかけた思い出の一本。
いよいよ出産という時、陣痛室でのたうち回りながら夫にわめいたもんです。
【世界で一番パパが好き!】ってゆーベン・アフレック主演の映画知ってるか?
ジェニファー・ロペスが出産でいきんだ時に動脈瘤が破裂してそのまま娘の顔も見んと死んでまうんや!
私もヤバイ!絶対ヤバイ!
動脈瘤の検査するの忘れとった!いったん止めよう!検査する!死ぬ!死ぬ~!
…終わってみれば4キロ超えの健康体を自然分娩でケロっと出産してましたけどね。
母親の命と引き換えにこの世に生を受けた女の子と、娘と引き換えに妻と仕事を一度に失った男の物語です。
映画【世界で一番パパが好き!】のあらすじザックリ
【アルマゲドン】から6年…宇宙的カップル再び
本作の主人公はベン・アフレック扮する広告業界のエリートビジネスマン、オリー・トリンキ。
典型的な仕事人間でニューヨークの高層マンションに暮らし、美しく快活なガートルード(ジェニファー・ロペス)と結婚したかと思えば赤ちゃんを授かり、順風満帆な人生を送っていました。
しかし出産時にガートルードが他界したことで人生は一変。
仕事でも大失敗してニューヨークを追われ、実家に引っ込み気難しい父親と二人三脚で娘のガーティ(ラクエル・カストロ)を育てます。
7年の歳月が経ち、すっかりオマセな女の子になったガーティとオリーが一緒に出掛けるのは、町で唯一の娯楽施設と言ってもいいレンタルビデオ店。
そこでアルバイトをしているマヤ(リヴ・タイラー)は性について研究(?)していて、「エロビデオを借りる頻度は?よく観るの?」などとあけすけに尋ねてくるちょっと変わった女の子。
【アルマゲドン】での知的なグレースのイメージには程遠い、ええ感じに力の抜ける田舎娘です。
ゴールデン・ラズベリー賞ノミネートの栄誉
まあ予想通りというか、この映画はゴールデン・ラズベリー賞にノミネートされちゃってます。
全体のエピソードがそれぞれ短絡的で中身が薄く説得力に欠けるんで、当然と言えば当然か…?でも肩の力を抜いて観られるところが私は好きです。
参考 ゴールデン・ラズベリー賞=アカデミー賞授賞式の前夜に「最低」の映画を選んで表彰するもの
とは言え、どうしても理解に苦しみ突っ込まずにはいられないのが以下の2点。
演劇の事を分かっていないらしいオリー
ある日オリーとガーティは舞台「スウィーニー・トッド」を観るためはるばるニューヨークへやってきます。
するとなんと、
あっちゃ~…
これ子供向きの劇じゃないや~ん…。
とばかりにオリーが理髪店の客が店主にカミソリで首を切られるのを見て驚く場面があるんです。
…いや待ってそのリアクション…。
広告業界の人間が「スウィーニー・トッド」がどんな物語か知らんとかあり得へんやろ。
そしてガーティもガーティ。今度の学校の発表会で「スウィーニー・トッド」の劇を披露すると言い出します。
うう~ん…。
「オカルト好き」って前振りがある訳でもないし、「ガーティ」のキャラクター付けがよく分からん。
心にまったく響かないフレッシュプリンスのセリフ
さらに。
田舎での肉体労働なんてさっさと辞めてニューヨークに戻りたくて仕方なかったオリーに、「やっぱり田舎でスローライフだぜ!」と決心させたと思われるフレッシュプリンスのセリフなんですけど…。
俺は頭が悪いからこんな仕事(ラッパー・役者)を続けられるねん。
頭が良かったら家で子供と遊んでるわ。
この言葉を聞いたオリーは念願だったニューヨークの企業の面接をすっぽかしてガーティの学芸会に向かう……
え?
どこどこ?
どこらへんに感銘を受けたん?
普通の会話やん。
ありがとう!
僕は子供と泥遊びしに帰るわ!
なんのこっちゃ!
今まで父親やガーティやマヤ、みんながどれだけ「そんなにニューヨークにこだわらなくてもええやん?」って諫めても一切聞く耳を持たなかった男が考えを変えるきっかけにしては余りにも陳腐。
有名人にちょっと「子供といる時間って大事だよね~」って言われたらコロッと考え変わるの?そんなん身内全員ずっと言ってたことやけど?
あかん、全然わからへん…。
涙を誘う場面もちゃんとあるにはあるんですけどね?
ニューヨークにこだわりすぎるオリーと引っ越しなんてしたくないガーティが口論になった時、つい言葉に出てしまったオリーの“7年間のうっぷん”。
お前とママが俺の人生を奪ったんや!
取り戻して何が悪い!
「子供相手になんちゅう残酷なことを言うねや…」と思う半面、いきなりたった一人で子供を育てなければならなくなったオリーの叫びは悲痛すぎます。
死んだガートルードも、
産まれたガーティも、
仕事がしたいオリーも、
誰も悪くないのにうまくいかない家族のカタチにテーマを絞った方がよかったかも知れないですね。
ベン・アフレックと仲良しのマット・デイモンがカメオ出演
【世界で一番パパが好き!】にはベン・アフレックと共同で脚本(【グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち】)を書いたことでも有名な幼馴染で親友のマット・デイモンがカメオ出演してます。ほんと、仲良しですよねこの二人。
1997年/アメリカ/監督:ガス・ヴァン・サント/出演:マット・デイモン、ロビン・ウィリアムズ、ベン・アフレック、ステラン・スカルスガルド、ミニー・ドライヴァー、ケイシー・アフレック、コール・ハウザー/第70回アカデミー助演男優・脚[…]
実生活とは裏腹に、「どうにかして広告業界に戻りたいオリーを笑いものにするいじわる面接官」という役どころ。
尺も短くさらっと出番は終わっちゃうんで見たい人は要注意です。
映画【世界で一番パパが好き!】の感想一言
ガーティ役のラクエル・カストロの八重歯がかわいい!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。