1983年/アメリカ/監督:ジェームズ・L・ブルックス/出演:シャーリー・マクレーン、デブラ・ウィンガー、ジャック・ニコルソン、ジェフ・ダニエルズ、ダニー・デヴィート/第56回アカデミー作品・監督・主演女優・助演男優・脚色賞受賞
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えっと、
あれですよ、第56回アカデミー賞獲ったやつ。
「愛の」…ほれほれ、あれあれ。
…いやちゃうちゃう、それはこれ。
1985年のね。ロバート・レッドフォードとメリル・ストリープのね。いやこれもええ映画ですけども。
1985年/アメリカ/監督:シドニー・ポラック/出演:メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード、クラリス・マリア・ブランダウアー、マイケル・キッチン/第58回アカデミー作品・監督・脚色・作曲・録音・美術・撮影賞受賞注※こ[…]
ちゃうんですよほら、デブラ・ウィンガーがヒロインで出てるやつ…
…いやちゃうって、それはこ~れ!
1982年ですね。まあこの時のデブラ・ウィンガーの健康的な美しさったらないですけども。
ちゃいますって!シャーリー・マクレーンとジャック・ニコルソン出てるやつ!
そうそうこれこれ~。
…しかし近い年代で似た邦題多過ぎ…。
【愛と追憶のセレナーデ】てフランス映画もありましたね。
【愛と追憶の日々】なんか【愛と青春の旅だち】でデブラ・ウィンガーが一躍人気者になったから無理やり寄せてきてる感バリバリ。
原題と直訳はどうなんよ。全部似通ってるワケ?
年 | 邦題 | 原題 | 直訳 |
1982 | 【愛と青春の旅だち】 | 【An Officer and a Gentleman】 | 役員と紳士 |
1983 | 【愛と追憶の日々】 | 【Terms of Endearment】 | 愛着の条件 |
1985 | 【愛と哀しみの果て】 | 【Out of Africa】 | アフリカから |
おお。
素晴らしい。原題も直訳も全然ちゃうやん。
しかし逆に邦題考える人の職人芸を垣間見たわ。
普段は「変な邦題つけんな!」ってキレまくってる私ですが、この3つに関しては脱帽。だって【アン・オフィッサー・アンド・ア・ジェントルマン】とかそのまま付けられてもなんのこっちゃか分からんことになってましたもんね。
【役員と紳士】?は?
って。
いやあ~【愛と追憶の日々】でよかった。
映画【愛と追憶の日々】のあらすじザックリ
ごく普通の母と娘の物語
愛しい娘の様子が気になって、5分おきにベビーベッドを確認しに行っては寝ている赤ん坊が死んでるんじゃないかと慌てて揺さぶり起こし、ちゃんと生きて泣く姿を見ると安心して部屋を出ていく自己中心的な若い母親…。
その母親オーロラ(シャーリー・マクレーン)の依存的で自分本位な性質は赤ちゃんだった一人娘のエマ(デブラ・ウィンガー)が成長しても少しも変わらず、思春期にはエマに「家を出てママの側を離れたい」と思わせるほど疎まれることになってしまいます。
ちょっとオーロラは行き過ぎですけど、まあ言うても「ちょっと」ですよ。
一人娘なんて誰だって死ぬほど可愛がるでしょう。しかもオーロラは若くして夫と死に別れてるんで、娘とたった二人きり。
学生時代のエマが「門限23時よ!」とオーロラに怒鳴られてる場面があるんですけど、私は「え、門限遅いやん」って普通に思いました。お国柄もありますかね、もし私の一人娘が高校生になったら門限18時で間違いないわ。
別れては付き合ってを繰り返すカップルみたい
とにかくオーロラから離れたかったエマは大学講師のフラップと結婚してさっさと家を出て行ってしまいます。
「せいせいした~!」と言ってはいるものの、オーロラからの電話には何があろうと必ず出るエマ。子供が産まれればお祖母ちゃんに会わせてやります。一切縁を切るなんてことはありません。エマ達家族が経済的に困窮している時にオーロラに金の工面を断られたとしてもです。
オーロラが隣家に住む元宇宙飛行士のギャレット(ジャック・ニコルソン)と恋愛関係になった時も、友達のように恋の相談を聞きアドバイスをして、反対にエマだってフラップの浮気疑惑が確定的になった時には子供達を連れて実家に戻ってきたりします。
最初こそ少し寂しい気がしますけど、この母娘にとって早くから別々に暮らすことになったのは正解だったんでしょうね。それもエマときたら新婚当初は実家の近くに住んでいたのに、フラップの転勤でさらに遠くに引っ越すことに。
この親子の場合、これくらい物理的な距離があった方が逆に愛着が深まっているような気がします。
いつまでもべったり一緒に暮らしているとそれこそ病的に共依存が酷くなってたかも知れません。
ごく普通の家族に深刻な運命が降りかかる
普通ならこのまま年月を重ねて、お祖母ちゃんであるオーロラから順番に安らかに死を迎えていく訳ですが、エマの体を蝕む病魔のせいでこの家族の「順番」は狂ってしまいます。
病魔の名は乳がん。
母親の過干渉にも夫の浮気にもめげず3人も子供を育てる気丈なエマがみるみる弱っていき、「子供達を残していくことだけが心配で…」と涙を流す姿は私にはもう見えません。涙で。
自分の最期を悟ったエマが子供達を病室に呼んで話をする場面なんてもう全然見えません。涙で。
エマは泣かずに子供達と向き合い話をします。
大事なことを伝えます。
「愛してるわ」とも言いますが、それは普通のことで。親であれば当然で。
エマは続けて、自分に反抗的な長男と昔の自分を重ね、長男に向かって言います。
あなたはママのことを愛してる。
いくらママのことを嫌っているふりをしても分かってる。
あなたはママのことが好きなのよ。
思春期に反抗的であっても時が経てばいずれ、どれだけ親が大事で愛しているのか分かるものです。
でもその「時間」が足りない子供達に、「親を愛していること」を親自身が完全に肯定することによって教えようとしてるんですね。
ああ無理よ私にはもう、見えないんです。涙で。
映画【愛と追憶の日々】の感想
【愛と追憶の日々】にはエマが亡くなった後のオーロラや子供たちを描いた【夕べの星】という続編映画があります。
「子供たちのその後」というよりは「オーロラの独壇場」といった感じで、一人娘エマを亡くしてもまだまだ衰えない元気なオーロラに会ってみたい方はぜひご覧ください。
1996年/アメリカ/監督:ロバート・ハーリング/出演:シャーリー・マクレーン、ジュリエット・ルイス、ビル・パクストン、ミランダ・リチャードソン、マリオン・ロス、ベン・ジョンソン、ジョージ・ニューバーン、マッケンジー・アスティン、ジ[…]
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