【リバー・ランズ・スルー・イット】ブラッド・ピット

映画【リバー・ランズ・スルー・イット】あらすじと感想。かの右手は砕かれる

【リバー・ランズ・スルー・イット】ブラッド・ピット

1992年/アメリカ/監督:ロバート・レッドフォード/出演:クレイグ・シェイファー、ブラッド・ピット、トム・スケリット、ブレンダ・ブレッシン、エミリー・ロイド、スティーヴン・シェレン、ニコール・バーデット、エディ・マックラーグ/第65回アカデミー撮影賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【リバー・ランズ・スルー・イット】
©A River Runs Through It/リバー・ランズ・スルー・イットより引用

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【普通の人々】

あれを機にじゃんじゃん監督業・製作業に精を出しましたよ。本日の映画もそんなロバート・レッドフォード監督作のひとつ。

 

この映画で一気に知名度を上げたブラッド・ピットだけど、製作があと20年早かったらロバート・レッドフォード自身にブラッド・ピットの役を って欲しかった。

…て、この頃のブラッド・ピットはルックスから醸し出す雰囲気まで往年のロバート・レッドフォードに激似だからどっちでも一緒か。

 

出て来た当時は“レッドフォードのそっくりさん”で終わる可能性も否定できなかったけど、いつの間にかすごい俳優になっちゃったねピッ君は。

 

佇むだけで芸術品であるかのような不思議なオーラを放つ主人公の弟を、若きブラッド・ピットが儚くも力強く演じています。

【リバー・ランズ・スルー・イット】です。

 

 

映画【リバー・ランズ・スルー・イット】のあらすじザックリ

厳格な牧師の父マクリーン、真面目で秀才の兄ノーマン、陽気な弟ポール。三人に共通する趣味はフライ・フィッシングだった。ノーマンは大学に進学して街を離れ、ポールは地元で新聞記者をしつつポーカー賭博にのめり込んでいた。やがて卒業したノーマンが街に戻り、兄弟は以前のように釣りに興じる。

 

 

家族を結びつける信仰「フライ・フィッシング」

モンタナ州の牧師マクリーン(トム・スケリット)には二人の息子がいます。

兄のノーマン(クレイグ・シェイファー)と弟のポール(ブラッド・ピット)です。

 

父マクリーンは神を信仰すると同じように釣りを崇拝していて(ヨハネはフライ・フィッシングの名士であったと信じている)、幼い頃から小学校へも行かずフライ・フィッシングの手ほどきを受けてきた兄弟も、父と同じく釣りを愛する青年へと成長していきます。

【リバー・ランズ・スルー・イット】
©A River Runs Through It/リバー・ランズ・スルー・イットより引用

2時間の上映時間の6割くらいは美しく雄大な川で誰かが釣りをしている情景。

一家の十数年間を描いているため季節は巡っているはずなのに、ここモンタナには初夏~盛夏しか訪れないのかしらと思うほどいつも爽やかな風が吹いていて、スクリーンのこちら側にいても思わず深呼吸したくなってしまいます。

 

「面白くない」兄、自由奔放な弟

主人公は恋人に「面白味がない」とまで言われてしまう真面目な兄ノーマン。

【リバー・ランズ・スルー・イット】クレイグ・シェイファー
©A River Runs Through It/リバー・ランズ・スルー・イットより引用

いますよね、いっつも神妙なツラぶら下げてシャレのひとつも言われへんこんな奴。自分関西では生きて行かれへんで。

 

一方弟のポールは、関西だろうがアメリカだろうがジャングルだろうがどこへ行っても誰とでも卒無く上手にやっていけるタイプ。

【リバー・ランズ・スルー・イット】は自分にないものをことごとく備えている弟ポールに対して憧れのような嫉妬のような複雑な感情を抱く兄ノーマンの一人称で語られますから、ますますもってポールが神々しく神秘的に映ります。

【リバー・ランズ・スルー・イット】ブラッド・ピット
©A River Runs Through It/リバー・ランズ・スルー・イットより引用

ただ釣りをしているだけのポールに見惚れるノーマン。

「ポールって川の神か妖精みたい」と心奪われる視聴者。

「こんなポールもあんなレイン中尉も演じられるなんてズルい」と嫉妬に駆られる私。

参考 アルド・レイン中尉=【イングロリアス・バスターズ】に出てくるパンチの効いたキャラクター。

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悪者ヴァルツ

 

あかんでこのピッ君は、キラキラしすぎ。

 

天使の右手は砕かれる

大自然の中で渓流に身を沈めてニッコリ笑っているとまるで天使のようだけど、実はポールは子供の頃から自由奔放で頑固一徹。

享楽に溺れようがモラルに欠けようが自分がやりたいと思ったことは何がなんでも絶対やる。こういう性格は長所にも短所にもなり得るから油断ならない。

 

酒を飲むと気が大きくなるのと賭け事に目がないことだけを除けばホントに天使のようだったのに。

 

【リバー・ランズ・スルー・イット】ブラッド・ピット
©A River Runs Through It/リバー・ランズ・スルー・イットより引用

久しぶりに父も含めた家族三人で釣りに出かけポールが大物を釣り上げた翌日、別れは突然訪れます。

ポールは銃床で何度も殴られた撲殺体となって路上に打ち捨てられていました。その右手を粉々に砕かれて。誰も口にしないけど賭博場でトラブルになったことは明白。

 

今、改行もそこそこにさらっと衝撃の事実を書きましたけど、映画本編でもポールの死はこんな風にさらっと流されるんで、真似しました。

「店長風邪気味らしいで」みたいな感じで、「ポール死んだらしいで」って、さらっと流される

「川」がテーマであるだけにね。

【リバー・ランズ・スルー・イット】
©A River Runs Through It/リバー・ランズ・スルー・イットより引用

ああ待って。

でもちょっと待ってって。

その右手は、少々手癖の悪いその右手はさあ、魚の気持ちが「分かる」川の妖精の右手だったってのに。

 

何やってんのよポール…だからギャンブルは止めろって言うたやないの。

 

 

映画【リバー・ランズ・スルー・イット】の感想一言

朱縫shuhou

数十年後、年老いたノーマンはまだ独りで釣りをしています。

ポールも両親も妻もみんな死んで、危ないからと友達に止められても釣りをしています。

 

独りで釣りをしていると色んな感情が浮かんでは消えて行き、やがてすべてがひとつに溶け合い、その中を川が流れる A River Runs Through Itんだそうです。

 

親しい人が死んでしまってもこうやって永遠に思いを巡らせることができる場所があるって良いですよね。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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