1998年/フランス/監督:フランシス・ヴェベール/出演:ジャック・ヴィレル、ティエリー・レルミット、フランシス・ユステール、ダニエル・プレヴォスト、アレクサンドラ・ヴァンダヌート
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
本日はおフランスの映画です。
何を見てこの映画を知ったか忘れました。映画の雑誌か何か読んでたかも知れません。
【奇人たちの晩餐会】?変なタイトル…でもフランス映画ってあんまり観たことないわー。
と軽い気持ちで入手してみた私を褒めてやりたい。
私の中のバカ映画ランキングにグイグイ喰いこんでくる名作でしたので。
フランス映画【奇人たちの晩餐会】のあらすじザックリ
バカの晩餐会を開催しているピエール
出版社社長のピエール(ティエリー・レルミット)は友人たちと毎週水曜日に それぞれ一人ずつバカを連れてきて笑いものにする悪趣味な晩餐会 を開いています。
ストレス発散なんだとか。
でも今週は不作で、ピエールはバカを見つけられず友人にも協力をあおぎます。
…一体なんやこの話は…。
フランス映画って難解で退屈なイメージで(おい)、寝てしまうのではないかぐらいに思っていた私の予想は序盤から崩れ去りました。
じわじわと身を乗り出してかぶりつきで観ることになります。
史上最低(最高?)のバカ、ピニョン発見
その日ピエールの友人が汽車に乗っていると、目の前にある男性が座ります。
見た目からもうバカ全開。
完全に出落ち。
彼はピニョン(ジャック・ヴィレル)と名乗り、一枚の写真を見せてきます。
そこに写っているのはマッチ棒で作ったエッフェル塔…一枚、また一枚と、頼んでもいないのに次々とマッチ棒アートの写真を見せてくるピニョン。
この作品には○○本のマッチを使っています。
0.1ミリの狂いがあっても完成しません。
ここまで作るのには○ヶ月かかりました。
ついにピニョンはマッチ棒アートの魅力について 延々と終点まで話し続けたのです。
マッチ棒アート自体は相当凄い代物なのですが、作った本人は見た目だけでなく中身もどうやら本物のバカのご様子。
すぐに友人はピエールに連絡します。
史上最低バカ、ピニョンをおびき出す
早速ピエールはピニョンとコンタクトを取り、水曜日の晩餐会の約束をこぎつけます。ピニョンは出版社の社長にマッチ棒の作品を見たいと言われ有頂天。
バカです。
おびき出したまでは完璧ですが、ピエールは晩餐会当日ゴルフ中に腰を痛めます。それも立てないほどに。
ピエールもまあまあバカです。
ピニョンのバカさ加減を認識する
腰痛がやばすぎるのでどうみても晩餐会には行けそうもありません。
それでも行こうとするピエールに、以前から悪趣味な晩餐会のことをよく思っていなかった妻のクリスティーヌ(アレクサンドラ・ヴァンダヌート)は愛想をつかし家を出ていってしまいます。
自宅で痛みと失意にのたうち回っているところへ、晩餐会の前に寄るように言われていたピニョンが訪ねてきます。
ここで初めて対面するわけですが、ピエールはピニョンがいかにバカであるかを認識して晩餐会での勝利を確信します。
想像以上のバカだったピニョン
しかしピエールが認識したバカさ加減は序の口でした。
なんとピニョンはバカもバカ、国宝級の大バカだったのです。
史上最低バカ、ピニョンの報復に遭う
ピエールはピニョンをバカにした代償に、たった数時間で何もかも失っていきます。
腰痛で動けずその場に頼る者もいないピエールが、仕方なくバカだと分かっているピニョンにお願い事をするたびに見せるピニョンのこのドヤ顔…。
しばいていい?
牛乳飲んでたら間違いなく吹き出します。
ピニョンをバカにしないと誓う
一方ピニョンからピエールに長年愛人がいたことを聞かされ自暴自棄になっていたクリスティーヌは交通事故を起こし入院。
機転を利かせてクリスティーヌに電話をするピニョン。
奥さん。
ピエールさんはあなただけを愛しています。
現に彼は今日、あなたを探すために愛人を追い返し、親友と和解し、査察官に立ち向かった。言わば人生の大掃除をしたようなものです。
僕は彼に悲しんで欲しくない。どうか話し合ってあげてください。
バカにされていたことが分かっても、なおもピエールをかばい力になろうとするピニョンに心を打たれたピエール。
ピエールは今までの自分の行いを恥じて言います。
やっぱりピニョンはバカだった
このままちょっとかっこええピニョンで終わったら全然おもろないんですが、安心してください。
最後までちゃんとバカです。
映像が止まって音声だけ流れるという、昔の深夜のバライエティ番組のような期待通りの終わり方を堪能しましょう。
フランス映画【奇人たちの晩餐会】の感想
ほぼ全幕ピエールの自宅で展開していくにもかかわらず物語のスケールの小ささは微塵も感じられません。プラス小道具としての電話の使い方も実に巧み。
ほぼ密室で繰り広げられる名画【十二人の怒れる男】を彷彿とさせます(あれと比べんな)。
1957年/アメリカ/監督:シドニー・ルメット/出演:ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、マーティン・バルサム、ジョン・フィードラー、E・G・マーシャル、ジャック・クラグマン注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気[…]
「バカを探す」という突拍子もない設定からグイグイ引き込まれて一気に最後まで見入ってしまします。
ピニョンがチャンピオンには間違いないのですが、結局 登場人物全員バカ でいいんじゃないでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。