- ポリス
- 2026年3月25日
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

いやあ~、面白い。
ホント、ボリウッドはハマるとハマる。
ハマらないと一生ハマらない。
どうしてこうも大真面目に意味不明なダンスとベタな笑いとシリアスな感動を絶妙にブレンドして名画に仕上げてくるんでしょう。
安定の3時間だけど(171分)全然飽きない、もっと観ていたい。
超学歴社会と言われるインドの難関大学に通う親友同士の3人を通して「教育」や「学歴」について考えさせられる映画、【きっと、うまくいく】です。
参考 ボリウッド=インド・ムンバイのインド映画産業全般につけられた俗称。
名言あふれる映画【きっと、うまくいく】のあらすじザックリ
飛行機を緊急停止させズボン履くのを忘れるほどの人物「ランチョー」とは
飛行機の離陸を待つファルハーン(R・マドハヴァン)に一本の電話。
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ランチョーが…?
電話機を落とさんばかりに顔色が変わっていくファルハーン。
電話を切ったファルハーンは急病人のフリをして離陸寸前の飛行機から降ろしてもらいます。
空港で偉い人の出待ちをしているタクシーに強引に乗り込み、学生時代の親友ラージュー(シャルマン・ジョシ)に電話をかけます。
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ラージュー!
ランチョーが見つかった!
惰眠をむさぼっていたラージューはズボンも履かずに家を出て迎えにきたファルハーンのタクシーに同乗。
2人はランチョーの居所を知るというちょっとイタい同級生チャトル(オミ・ヴァイディア)と合流し、ランチョーを探しに出掛けます。

チャトルの高級車に揺られながら、ファルハーンは10年前の学生時代に想いを馳せるのでありました。
飛行機の離陸もなんのその、ズボンを履くのも忘れるほどの人物「ランチョー」(変な名前)とは一体どんな人物なのか…。
大したことない奴やったら怒るで。
「お前医者かエンジニアなれな」えっ!二択?!
近年はここまで極端ではなくなっているにしろ、まだまだインドでは「子供の将来は医者かエンジニア」という考えの親が根強く幅をきかせているそうです。
まさかの二択。
【きっと、うまくいく】でもそれは例外ではなく、ファルハーンが産まれるや父親は「この子は将来エンジニアだ!」と勝手に決めてしまいます。
成長したファルハーンは密かに動物写真家になりたい夢を持ち始めますが、決して裕福ではない経済状況の中、勉強がはかどるようにとファルハーンの部屋にだけエアコンを付けてくれた両親への感謝を忘れることはなく、猛勉強の末に難関工科大学に合格。

郵便局長だった父親が事故で半身不随の寝たきり状態になってしまったラージューの家なんてもっと貧乏。
ラージューさえ優秀なエンジニアになってくれれば…と生活を切り詰めて学費に充ててくれています。
みんなが決死の覚悟で、大学長(ボーマン・イラニ)の言葉を借りるなら「他人を蹴落として」、この難関大学に入学してきたのです。
ファルハーンとラージューは学生寮でランチョーという青年と同室になります。
ランチョーが大学に姿を現したのはファルハーンたち新入生が先輩のいびりに遭っていた時。

先輩に言われるまま裸になり踊らされてる新入生。遅れてきたランチョーも服を脱いで新入生に混じるように命令されますが、完全無視。
怒った先輩を逆に即席で作った「武器」でいてこますランチョー。
なんか面白そうな変な奴。
観客の興味は一気にこの挙動不審な小男に持ってかれるでしょう。
しかもランチョーはただの天才設定の変わり者ではありません。
彼を見ていて私が一番意外で好感を持てたのは、結構泣き虫だったこと。何かと言えばうるうるする。
誰もが恐れる学長や先輩に毅然と立ち向かう、チャトルにいたずらしてゲラゲラ笑う、テストではトップを取るなど、人間離れした面が多くみられるランチョーですが、感動した時や哀しい時は普通に、ごっつ泣くんですよ。
天才ゆえにともすれば無感情でロボットのようになりがちなランチョーの、この人間臭さがすごく好きです。
ちなみに、ランチョー役のアーミル・カーンは撮影時44歳だったそうです。とっつぁん坊やにもほどがありますよね。
宇宙飛行士のペンとランチョーの名言の数々
セリフの1つ1つが軽快で機知に富んでておしゃれ。何気ないセリフや設定の中にも細かい伏線がいくつも張られていて、回収された時の爽快感がたまりません。

学長とランチョーとの「宇宙飛行士のペン」のエピソードなんかは分かりやすい感動ドコロですけど、ランチョーが恋人ピア(カリーナ・カプール)と最初に出会った時の会話なんかも地味に最後まで絡めてきよるんで、よく聞いておくと楽しいかも。
以下、記憶に残ったランチョーの名言の一部。
「成功を追うのは間違いだ。優秀なら成功はついてくる」
教科書を丸暗記するので試験は高得点だけど、全然学問が身についていないチャトルに対して言った言葉。

ランチョーは学長や講師にも何度かこのニュアンスのことを口にしていて、終始ブレないキャラクターが彼の魅力を増しています。
「奴が君の前に現れた時さっとベールがそよいで月が大きく輝いた?」
なんでも金に換算して価値をはかる“値札男”と付き合ってるピアに問いかけた言葉。
インド映画好きな人ならすぐに分かると思いますけど、そうです、これはフリです。
ピアが本当の恋をした時にさっとベールがそよぐための、フリです。

「ゆうパックの方がよかった?」
元郵便局長だったラージューの父親が危篤状態に!
緊急を要したランチョーはピアのバイクに3人乗りしてラージューの父親を病院へ担ぎ込みます。
慌てて病院へ駈け込んできたラージュー。
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ランチョー!
重病人をバイクに乗せて運ぶなんて!!
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あ、ゆうパックの方がよかった?
「両親が遺体を見る時のことを考えろ」
超学歴社会インドでは学生の自殺が後を絶たないそうです。

作中でランチョーが自殺者データを持って学長に物申す場面もあります。
実際に自殺する者も出てきます。
自分には「学問をする」という明確な目的があっても、そんな現実もあることを知っているランチョーがファルハーンに言った言葉。
いいですよね親目線のこのセリフ。
どれだけつらくてももうひと踏ん張りできそう。つらくてつらくて死んでしまいたくても、親が自分の葬式を出すことを考えると、あと少しだけ力が湧いてきそう。それが「逃げる」力だっていいから、とにかく子供には「親より先に死んでたまるか」と思って欲しい。
これを聞いたファルハーンは両親に「僕は自殺は絶対にしない」と誓います。
「うまーくいーく」
邦題にもなっているセリフ。なんやったら邦題も字幕通り【きっと、うまーくいーく】にして欲しかった。
ランチョーが住んでいた村の夜警がこう唱えながら村を巡回していたそうな。
ランチョーは「困難が発生した時に唱えろ」と言っていますが、勘違いしてはいけないのは、この呪文(?)を唱えたからと言って困難が去るワケではないということ。
そうじゃなくて、困難を無視できるんですって。
ランチョーはこのセリフを、神をあがめお守りとして指の数よりたくさんの指輪をはめている臆病なラージューに対して言っています。
要するに「開き直れ」ですよ(ちゃうか?独自の解釈)。
うじゃうじゃ言うとる間に「うまーくいーく」って唱えて困難を無視して次の手でも考えろってことでしょ。何もかもが「うまーくいーく」って、明るいビジョンを常に持っとくと人生ハッピー。

状況によって色んな取り方ができるこの言葉は、お腹にいる赤ちゃんだって大好きなんですから。
こんな親友を持ってほしい、こんな人物になって欲しい
私は子供たちが赤ちゃんの頃からよく言ってきかせています。

儲かる仕事につくか玉の輿に乗るんやでえ~。
やっぱり金かい!と恥ずかしくなりますねえ~。言うこと浅いですねえ~。ランチョーだったら何て言って育てるんですかねえ~。
先立つものは絶対必要ではあるけれど、お金なんて分相応に、生きていけるだけあればそれでいいのかもしれません。
余るほど持ってたって税金いっぱい取られるだけだしねえ。

それよりも家族と良い関係を築くことや心から分かり合える親友やパートナーを見つけること、労を惜しまず知識を得て己を高めることの方がよっぽど大事であると再認識させてくれる映画です。
そしてランチョーはやっぱり飛行機を緊急停止させてズボンを履くのを忘れてでも会いにいくに値する男でした。
ランチョーのような親友に10年ぶりに会えるとしたら、私だってパンツ一丁で飛行機を停めてみせます。
映画【きっと、うまくいく】の感想一言

しかしこの【きっと、うまくいく】のような映画がヒットすると言うことは即ち、共感する若者が多いということで…。
やっぱり現実にインドの子供たちを取り巻く環境は悲惨なんですかね?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。




