【殺人狂時代(1947)】チャールズ・チャップリン

映画【殺人狂時代(1947)】あらすじと観た感想。チャップリンのお気に入り

1947年/アメリカ/監督:チャールズ・チャップリン/出演:チャールズ・チャップリン、マーサ・レイ、イソベル・エルソム、マリリン・ナッシュ、ロバート・ルイス、チャールズ・エヴァンズ

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

【殺人狂時代(1947)】チャールズ・チャップリン
©Monsieur Verdoux/殺人狂時代より引用

実在したフランスの連続殺人鬼アンリ・デジレ・ランドリュをモデルにした映画。

この企画をチャールズ・チャップリンに提案したのは、かの怪物オーソン・ウェルズ。チャップリンはウェルズから映画の原案を5,000ドルで買い取ったそうです。

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“喜劇王”チャールズ・チャップリンが世紀の大量殺人鬼を演じますよ、【殺人狂時代(1947)】です。

 

映画【殺人狂時代(1947)】のあらすじザックリ

北フランスの婦人が多額の預金を引き出した直後に行方不明になる。すでにフランス国内で同じような状況の行方不明が連続して起こっており、事態を重く見た警察が動き出す。犯人はアンリ・ヴェルドゥといい、30年勤めた銀行をリストラされた元銀行員であった。

チャップリン本人お気に入り【殺人狂時代】

「殺人」の二文字が存在感を放ち、どことなくものものしい雰囲気が漂うタイトル【殺人狂時代(1947)】(原題は【Monsieur Verdoux(ムッシュ・ヴェルドゥ)】)。邦題から醸し出されるその雰囲気が示す通り、チャーリー(チャールズ・チャップリンの愛称)の映画にしては極端に笑える場面が少ない作品です。

【殺人狂時代(1947)】チャールズ・チャップリン
©Monsieur Verdoux/殺人狂時代より引用

でもチャーリー本人は自身の作品の中で【殺人狂時代(1947)】が一番気に入っていたんだとか。

さもありなん。経緯はどうあれラスト数分のチャーリーのセリフに彼の哲学がよく顕われてる。

【殺人狂時代(1947)】チャールズ・チャップリン
©Monsieur Verdoux/殺人狂時代より引用

アンリ・ヴェルドゥ(チャールズ・チャップリン)は30年間真面目に勤めた会社をリストラされた元銀行員。

現在の肩書は色々あります。芸術家・牧師・船長・家具商・探検家…。でもこれらはすべて裕福なご婦人を騙して結婚するための嘘

ヴェルドゥは天性の人懐っこさで寂しいご婦人の心の隙に付け入り結婚に漕ぎ付けては「妻」となったご婦人を殺害、その遺産を根こそぎ奪い去る凶悪な連続殺人犯だったのでした。

【殺人狂時代(1947)】チャールズ・チャップリン
©Monsieur Verdoux/殺人狂時代より引用

これまで12人のご婦人(妻)を殺してその財産を手に入れてきたヴェルドゥの殺害目的は「妻子のため」。ここで言う「妻子」というのは「銀行員だった頃からの妻子」のこと。

銀行をクビになってからというものヴェルドゥは、ご婦人を騙してお金を手に入れては妻子のもとを訪れつかの間の安息の時間を過ごし、しばらくするとまた“カモ”を探して旅立つという生活を続けていたのです。

チャーリーそれ言うたらあかん!

冒頭に書いた通り、これら一連の殺人事件に関してはアンリ・デジレ・ランドリュというフランスではかなり有名なシリアルキラーをモデルにしています。イギリスの切り裂きジャックみたいなもんですかね。

【殺人狂時代(1947)】チャールズ・チャップリン
©Monsieur Verdoux/殺人狂時代より引用

前半は実際の事件を大いに参考にしていることが伝わるものの、ヴェルドゥが逮捕されて以降の後半は少しおもむきが変わります。

アンリ・デジレ・ランドリュ本人も自分の裁判でイカれた発言を繰り返したと言われていますが、映画の中のヴェルドゥは事実よりもかなり「チャップリン色」全開のセリフを口にするんです。

大量殺人は世界が奨励してるんです。大量殺人のための破壊兵器を製造しているんです。何一つ疑っていない女性を殺し、何も知らない小児を虐殺。しかも科学的に行ってます。大量殺人では私はアマチュアです

(以下引用文の出典はすべて【殺人狂時代(1947)】字幕)

犯罪は割に合いません、小さな規模では

「大事業の歴史を見なさい。戦争、闘い、すべて事業です。1人殺せば悪党で、100万人だと英雄です。数が殺人を神聖にする

【殺人狂時代(1947)】チャールズ・チャップリン
©Monsieur Verdoux/殺人狂時代より引用

フランスの有名なシリアルキラーがモデルだとかオーソン・ウェルズが原案だとかは二次的要素で、【殺人狂時代(1947)】はチャップリンの哲学が詰まったこれらのセリフありきの映画であることはよく分かります。

分かるんだけど言わせてよチャーリー。

 

1947年にこんなこと言うたらあかん。

朱縫shuhou

朱縫shuhou

お願いやから危ない橋渡るの止めて!
すぐ逃げて!

映画【殺人狂時代(1947)】の感想一言

朱縫shuhou

朱縫shuhou

映画の公開は1947年。チャーリーが事実上の国外追放となったのは1952年。その間約5年。
改めて考えてみると、1947年公開の映画でこれほどあからさまに戦争(原爆)や軍需産業を批判しておいて、よく5年も生きてアメリカにいられたものです。
【独裁者】なんかを観ていても思うことですが、今では称えられるべきチャーリーの勇気ある行動も当時は時代にまったくそぐわないものだったはずですから、下手すればチャーリーは彼を良く思わない連中に暗殺されていたかも知れないですよね?
 
国外追放で済んでくれて本当に良かった。

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そんなあなたが大好きです。

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朱縫shuhou 天衣無縫に映画をつづっている人

朱縫shuhou

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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