【捜索者】ジョン・ウェイン

映画【捜索者】あらすじと観た感想。ジョン・ウェインのザ・西部劇

【捜索者】ジョン・ウェイン

1956年/アメリカ/監督:ジョン・フォード/出演:ジョン・ウェイン、ジェフリー・ハンター、ナタリー・ウッド、ワード・ボンド、ヴェラ・マイルズ、ヘンリー・ブランドン

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【捜索者】ジョン・ウェインのラスト
©The Searchers/捜索者より引用

かねてより当サイト「天衣無縫に映画をつづる」で一貫して主張しまくっていますが、私が世界でもっとも好きな俳優はジャック・ニコルソンです。

続いてマーロン・ブランドジーン・ハックマンポール・ニューマンなど…。

デューク(ジョン・ウェインの愛称)も好きですけど5位以内には入りません。

 

しかし「ある部分」に特化するとダントツでデュークが一番だと思っています。

それは「声」

声だけで判定するならダントツ1位。

なんかええ感じのα波でも出てるんでしょうか、いつまでも聞いていたいようなシブくて深みのある心地いい声だと思いません?デュークの映画だけは絶対に吹き替えでは観ません。視聴の際は字幕版でどうぞ。

 

ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演による西部劇映画の金字塔、【捜索者】です。

 

 

 

映画【捜索者】のあらすじザックリ

1868年テキサス。イーサンは数年ぶりに故郷の兄の家を訪れ幸せなひと時を過ごす。しかし他の牧場で盗まれた牛の奪還に向かっている隙に、兄の家族はコマンチ族に襲われて虐殺され、2人の姉妹は連れ去られてしまう。イーサンは姪たちの救出のため捜索の旅に出る。

 

 

テキサスの荒野、頑固な主人公、野蛮なインディアン…「ザ・西部劇」!

南北戦争からしばらく経った頃。

娘2人と息子1人の子を持つ夫婦の元を、夫アーロンの弟イーサン・エドワーズ(ジョン・ウェイン)が数年ぶりに訪ねてきます。

久しぶりの叔父の帰還に沸き立つ子供たち、プラス家族同然に暮らしているチェロキー族の血を引く青年マーチン(ジェフリー・ハンター)。

兄アーロンの家族を訪ねるイーサン
©The Searchers/捜索者より引用

イーサンは表向き歓待を受けていますが、のっけから大人たちの様子がなんだかちょっとおかしい。

数年ぶりだというのに兄アーロンの喜びようも中途半端だし、兄嫁マーサのぎこちなさもイーサンの居心地の悪さも見え見え。

それもそのはずで、映画では一切言及されませんが原作小説ではイーサンとマーサは昔恋人同士だった設定。イーサンがやたらに優しくマーサの額にキスしたり、マーサが隠れてイーサンの外套がいとうを愛おしそうになでていたり、2人の恋の炎は完全に燃え尽きている訳でもなさそう。

 

「大根役者」と言われることが多いデュークですが、この時の「気持ちを隠しきれない切ない演技」はすごく良かったですけどね。

個人的にもうちょい掘り下げて欲しかったとこではあります。

 

気が遠くなる広さのテキサスの大地

しばらくするとアーロン宅にまたも来客。地域を取り仕切る警備隊大尉兼牧師のクレイトン(ワード・ボンド)の一行です。

近所の牧場の牛が盗まれたため犯人追跡に駆り出されるイーサンとマーチン。

 

牛泥棒を追ってしばらく進むと盗まれた牛の死体がゴロゴロ…。

食うでも売るでもなく、盗んでおいてこんなところで殺すなんて?

警備隊一同

なんかおかしいぞ…。

牛泥棒はカモフラージュで、狙いは手薄になった民家なんちゃうか!

急いで戻ろうとしたって、すでに家からはかなり離れてしまってます。

イーサン

そない慌てて帰ったってもう無理や。

40マイルも来てしもてるぞ。

40マイル?

1マイル約1.6キロやから…約64キロ!!

競走馬は全力疾走して時速70キロ以上は出せるみたいだけど、持久力の問題もあるし少なく見積もっても1時間以上はかかるじゃん!

 

うおー!

テキサス!

広大!

 

頑固すぎる一匹狼イーサン・エドワーズ

不吉な予想は的中、警備隊らが着いた頃にはアーロン宅は焼き払われていました。

焼け跡の中からはアーロンとマーサ、息子の遺体が…。姿の見えない2人の姉妹だけはコマンチ族にさらわれた模様。

警備隊とイーサンとマーチン、そして姉の恋人ブラッド(ハリー・ケリー・ジュニア)らがコマンチ族を追跡しますが、イーサンのワンマンと衝突したクレイトン牧師率いる警備隊は離脱。

 

頑固なおっさんと若造2人との姉妹捜索の旅が始まります。

姉妹の捜索を続けるイーサンとマーチン
©The Searchers/捜索者より引用

イーサンはヒーローではあるのですが今改めて観るとやっぱりかなりぶっきらぼうで不愛想で時代錯誤。男が優しい言葉をかけたり弱音を吐いたらあかん時代だったんですかね。

加えてどないしようもない人種差別主義者。

とにかくインディアンへの憎悪が激しくて、せっかく探し出した妹デビー(ナタリー・ウッド)がコマンチ族の首領の妻になったと知るやなんと、彼女を殺そうと銃を向ける。

インディアンの妻になったデビーを殺そうとするイーサン
©The Searchers/捜索者より引用
マーチン
イーサン、止めろ!
イーサン

どけマーチン。

デビーはもう白人やない。

5年も探し続けたのにですよ?!

朱縫shuhou

極端!!

それでも婚約者であるルーシーが殺害されたことを知って自暴自棄になりコマンチ族のキャンプに単身乗り込んで犬死にするブラッドよりは断然マシですけど。

 

野蛮に描かれてたステレオタイプのインディアン

姉妹をさらって5年も逃亡し続けたインディアン(コマンチ族)や、商談の末にマーチンの妻となってしまう友好的なインディアンなど、西部劇につきもののステレオタイプの先住民もドッチャリ出てきます。

行商中のマーチン
©The Searchers/捜索者より引用

「ウォホホホホ~!」と馬上から奇声を上げて荒野を駆け抜ける姿はやっぱり強烈。

しかし最強の敵となるはずだった酋長スカー(ヘンリー・ブランドン)がイーサンと一騎打ちすることなくマーチンに拳銃で撃たれて絶命する下りは拍子抜けました。

コマンチ族の酋長スカー
©The Searchers/捜索者より引用

とどめ刺すのんお前か~い。

 

 

映画【捜索者】の感想一言

朱縫shuhou

誰もがもう諦めろと助言する中で、たった一人デビーの奪還を諦めず、見事本懐を遂げたイーサン。

なのにどう転んでも何年経っても彼の本質は“一匹狼”で、デビーの帰還に沸く仲間の輪にも加わることができない不器用な男を捉えたラストのカットが哀しくも清々しい映画です。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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