1988年/アメリカ/監督:ジョン・マクティアナン/出演:ブルース・ウィリス、アラン・リックマン、アレクサンダー・ゴドノフ、ボニー・ベデリア、ウィリアム・アザートン、ハート・ボックナー、デヴロー・ホワイト、レジナルド・ヴェルジョンソン
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
そうです、昔はちゃんと生えてたんです。
つるつる頭のブルース・ウィリスしかご存知ない若い方なんかは本日の映画を観たらびっくりするんじゃないでしょうか。髪ふさふさの時のブルース・ウィリス、めっちゃかっこよかったんですよお~。
ブルース・ウィリスはハゲでもかっこいいわって思ってたけど、改めて髪がある若き日の彼を見るとやっぱり見劣りしますね(おーい)。
DVDも持ってて何回も観てるのにTVで放送してるとまた観てしまう、世界一運が悪い男の有意義なクリスマス(おいおーい)を描いた映画、【ダイ・ハード】です。
映画【ダイ・ハード】のあらすじザックリ
「世界一不運な男ジョン・マクレーン」他、超強力なキャラクター
一介の刑事の枠を超える勘の良さ・洞察力・身体能力・運の悪さを誇る主人公のジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)を筆頭に、【ダイ・ハード】にはイカすキャラクターがたくさん出てきて観客を飽きさせません。
卓越した状況分析力と適応力に加え常に平静でいられる鉄の心臓を持つ【ダイ・ハード】のラスボス、ハンス・グルーバー(アラン・リックマン)はジョンの相手にとって不足はないし。
女性の出世が難しい(当時)日系企業で重役の椅子に座っているジョンの妻ホリー・マクレーン(ボニー・ベデリア)も、たった1人で戦うジョンの唯一の理解者となる黒人警察官パウエル(レジナンド・ヴェルジョンソン)も、言葉を発せずともジョンの状況を推察して離れた場所から援護してくれるしね?
陽気なリムジンの運転手アーガイル(デヴロー・ホワイト)だって、ゲラゲラ笑ってるだけのお笑い担当かと思いきや最後に重要な役割を果たすしさあ。
カッコいいんですよとにかく脇役もみんな。
一方で【ダイ・ハード】には、そんな彼らとは対局のアホも存在するのです。
ドウェインとハリーとリチャード!ヒーローを際立たせるアホ3人衆
クリスマス・パーティで盛り上がるナカトミ・ビル。
しかしパーティ会場は突如としてハンス・グルーバー率いるテロリストらに占拠されてしまいます。テロリストらは会場にいたホリーを含む従業員をあっという間に全員人質として拘束。逃げおおせたのは従業員じゃないけどホリーに会うためにやって来て偶然その場に居合わせたニューヨーク市警のジョン・マクレーンだけ。
ジョンはたった一人でテロリスト達に立ち向かう羽目になるのでした。
ここではすでに周知の事実である脚本や小道具が優れていること云々には一切触れず、持てるアホさを存分に発揮することで完璧な映画【ダイ・ハード】をより完璧に近付けてくれている愛すべきアホどものアホさ加減にスポットを当ててみようと思います。
お時間が許せばお付き合いください。
あ、お構いなく、すぐ終わりますんで。
権力を持たせてはいけないアホ(ドウェイン・ロビンソン)
最初のアホは、戦場と化したナカトミ・ビルの周囲に群がるロサンゼルス市警の現場責任者ドウェイン・ロビンソン(ポール・グリーソン)。
自分の狭い了見に基づく高圧的な意見しか口にしない典型的な「嫌でアホな上司」。
しかしドウェインはまだまだ小物級のアホなんで、序盤で無線を通じてジョンに文句言うものの5倍くらいになって返ってきて反論することもできずあっけなく敗退。
その後FBIがやってきて現場を仕切られてからはすっかりお笑い担当に。
ドウェインのアホ名言集
●パウエル「僕の勘ではビルの中にいるのは恐らく警官です!」
ドウェイン「何言うとんねん!頭のイカれたバーテンかも知れんやろ!」
●パウエル「死体が落ちてきたのはどう説明するんです!」
ドウェイン「株で大損して自殺したんちゃうか?」
●(FBIのヘリが墜落した時)「FBI人員足りるかな」
●(ハンスがビルから落下してきた時)「アレ人質ちゃうかったらええな」
見事に的をはずれた素っ頓狂なことばっかり言ってのけてくれる。
アホですねぇ~。
意識高い系のアホ(ハリー・エリス)
さて続きましてこちらは、「俺仕事できるし」と勘違いしているよくいるタイプの「意識高い系」アホ、ハリー・エリス(ハート・ボックナー)。
なぜかホリーと同じナカトミ商事の重役ではあるものの、持てるコネを余すところなく駆使して出世したとしか思えないアホっぷり。仮にアホじゃなくてもギトギトした雰囲気だけで腹立つ。
ほんの少しの忍耐ですら持ち合わせておらず、人質となってテロリスト達に拘束されることに我慢できなくなったハリーは、無い知恵ふり絞ってテロリストと交渉しようとします。
ジョンが「やめとけってアホかお前は!」て本気で言ってるのに「大丈夫大丈夫!俺に任せとけってー」とばかりにニタニタしながらハンスに交換条件を持ちかける姿はもう伝説のコメディアン。
偉そうにハンスの前に座ってる場合ではございません。そこはばりばりハンスの射程距離でございます。
アホですねぇ~。
未来を推測できないアホ(リチャード・ソーンバーグ)
そして「影のアホ」とでも言いましょうか、3人目のアホは直接ジョンやテロリストと一戦交える訳ではなく、事件の騒動に紛れてこそこそとスクープを嗅ぎまわるアホジャーナリスト、リチャード・ソーンバーグ(ウィリアム・アザートン)です。
ジョンが正体を隠すためわざわざ「お邪魔虫君」と騙 ってテロリスト達に立ち向かっているというのに、ハリーとアホタッグを組んで素性も家族も洗いざらい敵にバラしてしまうことになる大たわけ者。
ジョンの家族がロサンゼルスに居て彼の妻が今ナカトミ・ビルの中で拘束されているホリーであるとテロリストにバレたらどうなるか…など先の展開を予測することもできない危機管理能力が欠如したこのアホは、ただスクープのためだけに事件の渦中にあるジョンの妻ホリーの自宅へ押しかけ、移民であるお手伝いさんに「移民局に密告すんぞコラ」と脅しをかけて取材を強行。
ジョンの子供達のインタビュー映像がハンスの手元のTVに映ってしまい、ホリーがジョンの妻だとバレてしまいます。
このリチャードのスクープ映像のお陰で死ぬ目にあったホリーが、無事解放された後強烈なパンチをお見舞いしてくれてちょっとはスッキリするんですけど。
もっといったれ!
ガチで死ぬとこやったやんけ!
ジャーナリズムの追求もいいけど人命第一でお願い申し上げます。
アホですねぇ~。
アホありきの映画【ダイ・ハード】
アホアホ言うてますが、このアホどもの協力(?)なくしては【ダイ・ハード】は【ダイ・ハード】たりえない訳でして。
「なかなか死なない者(不死身)」という意味のある「Die Hard」。
【ダイ・ハード】はこのアホどもに華麗に邪魔されることによってジョンの「九死に一生を得る」感が増幅されています。
単純にこのアホどものお陰で最初に挙げたアホじゃない人達のかっこよさも倍増されていますし、まあまあの人数が死んでるというのに陽気なクリスマス・ミュージックが流れてサラッと幕を閉じるというラストにも違和感がありません。
愛すべきアホどもにも着目してお楽しみください。
映画【ダイ・ハード】の感想というか思い出
余談ですが今みたいにスマホを取り出してGoogle先生に訊ねればなんでもかんでもすぐに答えが出てくる時代ではなかった公開当時、学生だった私はタイトルを「大 ハード」だと思っていました。
「そんな勘違いしてる奴おらへんやろ!」ってツッコまれそうですが、本当です。盛ってない盛ってない。
クラスの男子とかもみんな「なんでアメリカの映画やのに日本語で『大』ってついてんねやろな!」って真剣に言うてましたもん。
平和ですよ昭和は。
あギリギリ昭和は終わってたかな。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。